神様がくれたプレゼント
「私は……全然落ち着かないけど?」

「えっ?何で?」

不思議そうな顔で私を見る。

翔ってこんなに鈍感だったの?それとも私にずっと気を使っていたの?う〜ん。わからない。だからと言って嫌いにはなれないし、なんか可愛いんだよね。それに、私も遠慮してたと思う。翔の迷惑にならないようにって。でも本当の私は、喜怒哀楽も激しいし、ご機嫌だと鼻歌を歌っちゃうような女なんだよ。こんなこと言ったら嫌われちゃうかな?でも言わなきゃ始まらない。


「さっき女の人と抱き合ってたでしょ?」

「あ〜、あの子。確かに抱きつかれた」

ズキン。やっぱり胸が痛い。そりゃぁ、モテるのは充分わかってるよ。でも目の前で見るとやっぱり辛い。

「あの子、前に翔のマンションに来たことあるよ……」

泣きそうだ私。頑張れ、美桜。

「うん、知ってる」

「えっ?知ってたの?」

「うん。美桜が出ていった次の日も来た。美桜が出ていった日にもモニターに録画されていたから見たよ。あんなこと言ってたら、いろいろと勘違いするよね……」

切ない顔をして俯いた。
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