かりそめ夫婦のはずが、溺甘な新婚生活が始まりました
「ねぇ、小毬。この前あげたリップ試した?」
「うん、由良が言ってた通りすごくよかったよ」
「それならよかった。またいいコスメ見つけたら教えてあげる。あ、そういえば会社の近くで、おいしいカフェを見つけたの。今度一緒に行こうよ」
三人で昼食をとっているわけだが、吉井はまるで俺は存在していないように振る舞う。ひっきりなしに小毬に話しかけてばかりで、いっさいこちらを見ようとしない。
そもそもこの席順もおかしくないか? どうして吉井が小毬の隣なんだ? 普通は俺じゃないか? おかげでまったく話に入れない。
黙々とうまくできた料理を口に運んでいると、それに気づいた小毬が不自然なほど急に俺の料理を褒め出した。
「あ、由良……! コーンスープ飲んでみて。すっごくおいしいから。あのね、今日の料理は全部将生が用意してくれたの。将生、料理上手でよく作ってくれるの。私よりおいしいかもしれない」
「え、それじゃ小毬、嫌な思いしているんじゃないの? だって大学に入ってからお母さんに、村瀬のために料理を覚えろって言われて、四年間料理教室に通っていたじゃない」
えっ……料理教室? 小毬、料理教室に通っていたのか? それも大学の間ずっと?
「うん、由良が言ってた通りすごくよかったよ」
「それならよかった。またいいコスメ見つけたら教えてあげる。あ、そういえば会社の近くで、おいしいカフェを見つけたの。今度一緒に行こうよ」
三人で昼食をとっているわけだが、吉井はまるで俺は存在していないように振る舞う。ひっきりなしに小毬に話しかけてばかりで、いっさいこちらを見ようとしない。
そもそもこの席順もおかしくないか? どうして吉井が小毬の隣なんだ? 普通は俺じゃないか? おかげでまったく話に入れない。
黙々とうまくできた料理を口に運んでいると、それに気づいた小毬が不自然なほど急に俺の料理を褒め出した。
「あ、由良……! コーンスープ飲んでみて。すっごくおいしいから。あのね、今日の料理は全部将生が用意してくれたの。将生、料理上手でよく作ってくれるの。私よりおいしいかもしれない」
「え、それじゃ小毬、嫌な思いしているんじゃないの? だって大学に入ってからお母さんに、村瀬のために料理を覚えろって言われて、四年間料理教室に通っていたじゃない」
えっ……料理教室? 小毬、料理教室に通っていたのか? それも大学の間ずっと?