かりそめ夫婦のはずが、溺甘な新婚生活が始まりました
急いで戸締りを済ませて家を出た。
この前の同期会で野沢君に結婚していることがばれて、さらには将生と鉢合わせするという事態に陥った。
野沢君は誰にも言わないでくれているけれど、説明を求められていた。でもお互いの時間が合わず連休に入り、これでは永遠に話を聞けそうにないから、朝に会おうと言われたのだ。
野沢君は私がいつも利用している路線を使っていて、二駅先に住んでいるらしい。だから出勤前に私の最寄り駅で会う約束をしていた。
もちろん将生には報告済みだ。……といっても、メッセージでの報告だから、どう思ったかはわからないけれど【わかったよ】と返信がきた。
改札口を抜けて、野沢君が待っているカフェに向かうと、彼は優雅にコーヒーを飲んでいた。
気づいた彼に〝注文してから行く〟とジェスチャーし、私もコーヒーを頼んで席へと向かう。
「おはよう、ごめんね遅くなっちゃって」
「大丈夫だよ」
向かい合って座ると、野沢君は「さて」と言って身を乗り出した。
「時間も限られているし、さっそく説明してもらおうか。荻原は結婚しているんだよな? どうして隠したりしているんだ? 隠さないといけないような相手には見えなかったが……」
次々と質問をぶつけられ、タジタジになる。でも普通は気になるところだよね。
この前の同期会で野沢君に結婚していることがばれて、さらには将生と鉢合わせするという事態に陥った。
野沢君は誰にも言わないでくれているけれど、説明を求められていた。でもお互いの時間が合わず連休に入り、これでは永遠に話を聞けそうにないから、朝に会おうと言われたのだ。
野沢君は私がいつも利用している路線を使っていて、二駅先に住んでいるらしい。だから出勤前に私の最寄り駅で会う約束をしていた。
もちろん将生には報告済みだ。……といっても、メッセージでの報告だから、どう思ったかはわからないけれど【わかったよ】と返信がきた。
改札口を抜けて、野沢君が待っているカフェに向かうと、彼は優雅にコーヒーを飲んでいた。
気づいた彼に〝注文してから行く〟とジェスチャーし、私もコーヒーを頼んで席へと向かう。
「おはよう、ごめんね遅くなっちゃって」
「大丈夫だよ」
向かい合って座ると、野沢君は「さて」と言って身を乗り出した。
「時間も限られているし、さっそく説明してもらおうか。荻原は結婚しているんだよな? どうして隠したりしているんだ? 隠さないといけないような相手には見えなかったが……」
次々と質問をぶつけられ、タジタジになる。でも普通は気になるところだよね。