かりそめ夫婦のはずが、溺甘な新婚生活が始まりました
スマホをバッグにしまい、徐々に増えてきた人の波に乗って玄関へ向かっていたけれど、再び足が止まる。
いいのかな、連絡を待っているだけで。自分から行動を起こさないで、後悔しない?
どうする? 指輪のことも自分の気持ちも伝えられず、別れを切り出されたら。そうなったら私っ……!
想像したくない未来に、気持ちが固まった。
会いに行こう。迷惑かもしれないけど、ひと目でも会いたい。
急いで将生の会社の住所を検索する。えっと……ここからだとバスに乗ったほうが早いかもしれない。
玄関を抜けて駅前のバス停へ向かおうとした時、背後から名前を呼ばれた。
「小毬ちゃん」
足を止めて振り返ると、見覚えのある男性はにこやかに手を挙げた。
「よかった、会えて。久しぶり。……えっと、俺のことわかるかな?」
不安そうに近づいてくる男性。鮮明に顔を拝むことができる距離までくると、すぐにわかった。
「秋田さんですよね?」
名前を口にすると、秋田さんはパッと笑顔になった。
「よかった、小毬ちゃんに覚えていてもらえて。結婚式でも、将生に阻まれてあまり話ができなかったから不安だったんだ」
いいのかな、連絡を待っているだけで。自分から行動を起こさないで、後悔しない?
どうする? 指輪のことも自分の気持ちも伝えられず、別れを切り出されたら。そうなったら私っ……!
想像したくない未来に、気持ちが固まった。
会いに行こう。迷惑かもしれないけど、ひと目でも会いたい。
急いで将生の会社の住所を検索する。えっと……ここからだとバスに乗ったほうが早いかもしれない。
玄関を抜けて駅前のバス停へ向かおうとした時、背後から名前を呼ばれた。
「小毬ちゃん」
足を止めて振り返ると、見覚えのある男性はにこやかに手を挙げた。
「よかった、会えて。久しぶり。……えっと、俺のことわかるかな?」
不安そうに近づいてくる男性。鮮明に顔を拝むことができる距離までくると、すぐにわかった。
「秋田さんですよね?」
名前を口にすると、秋田さんはパッと笑顔になった。
「よかった、小毬ちゃんに覚えていてもらえて。結婚式でも、将生に阻まれてあまり話ができなかったから不安だったんだ」