かりそめ夫婦のはずが、溺甘な新婚生活が始まりました
『新しい出会い』
寝る前に設定したアラーム音に気づき目を開けると、室内は太陽の日差しが挿し込んでいて明るい。
ベッドサイドに置いてあるスマホを手探りし、アラームを止めてゆっくりと起き上がると、広いキングサイズのベッドに将生の姿がなかった。
「嘘、もう起きているの?」
今日も将生より先に起きられなかったことに、がっくりと肩を落とした。
時刻は五時半と早い時間だ。それよりも先に起きているなんて……。
髪を整えながら寝室を出てリビングダイニングへ向かうと、キッチンにはワイシャツにエプロンをつけた将生が立っていた。
「おはよう、小毬。今朝は起きるの早いな」
なんて爽やかに言いながら、彼が作っているのは厚焼き玉子。
「将生、いつも言ってるけどご飯は私が……」
「俺もいつも言ってるよな? 朝食くらい作らせてくれと。それに今日から小毬だって仕事がはじまるんだ。できるだけ家事は分担してやっていこう」
有無を言わさぬ物言いに、口を結んだ。
一緒に暮らしはじめてから、毎日将生は私より先に起きて朝食の準備をしてくれている。
大学を卒業して春休み中の私とは違い、将生には仕事がある。それなのに朝食の準備をさせてしまうのは忍びない。
私が作ると言ってもさっきのように一喝されてしまい、それならば彼より早く起きようと思っても、将生より早く起きられた試しがない。
ベッドサイドに置いてあるスマホを手探りし、アラームを止めてゆっくりと起き上がると、広いキングサイズのベッドに将生の姿がなかった。
「嘘、もう起きているの?」
今日も将生より先に起きられなかったことに、がっくりと肩を落とした。
時刻は五時半と早い時間だ。それよりも先に起きているなんて……。
髪を整えながら寝室を出てリビングダイニングへ向かうと、キッチンにはワイシャツにエプロンをつけた将生が立っていた。
「おはよう、小毬。今朝は起きるの早いな」
なんて爽やかに言いながら、彼が作っているのは厚焼き玉子。
「将生、いつも言ってるけどご飯は私が……」
「俺もいつも言ってるよな? 朝食くらい作らせてくれと。それに今日から小毬だって仕事がはじまるんだ。できるだけ家事は分担してやっていこう」
有無を言わさぬ物言いに、口を結んだ。
一緒に暮らしはじめてから、毎日将生は私より先に起きて朝食の準備をしてくれている。
大学を卒業して春休み中の私とは違い、将生には仕事がある。それなのに朝食の準備をさせてしまうのは忍びない。
私が作ると言ってもさっきのように一喝されてしまい、それならば彼より早く起きようと思っても、将生より早く起きられた試しがない。