かりそめ夫婦のはずが、溺甘な新婚生活が始まりました
なんて自分で言っておきながら、思い出すと恥ずかしくなる。『初めて好きになる人は、将生がいい』とか、けっこう大胆なことを言っちゃったよね? ……でもすべて正直な気持ち。
将生の気持ちを知り、こうして彼の優しさに触れて。素直に初めて好きになる人は将生がいいと思ったの。
「えっと……プレゼント、本当にありがとう。ケーキ食べようか」
なにも言わないから居たたまれなくなり、万年筆を袋の中に戻して踵を返した瞬間、背後から思いっきり抱きしめられた。それも苦しいほどきつく――。
「ま、将生……?」
布越しに伝わるぬくもりに、胸の鼓動の速さが増していく。
ドキドキしているのがバレそうで、やんわりと離れようとしたものの、さらに強い力で抱きしめられてしまった。
まるで心臓が身体の外についているかのように、ばくばくとうるさい。
絶対将生にも気づかれちゃっているよね? 抱きしめられてドキドキしていることに。
だけど将生に抱きしめられても嫌じゃない。胸が苦しいけれど、彼のぬくもりが心地よくも感じる。
どれくらいの時間、抱きしめられていただろうか。きっとほんの数十秒しか経っていなかったと思う。だけどとても長い時間に感じた時、彼は私の耳もとで囁いた。
将生の気持ちを知り、こうして彼の優しさに触れて。素直に初めて好きになる人は将生がいいと思ったの。
「えっと……プレゼント、本当にありがとう。ケーキ食べようか」
なにも言わないから居たたまれなくなり、万年筆を袋の中に戻して踵を返した瞬間、背後から思いっきり抱きしめられた。それも苦しいほどきつく――。
「ま、将生……?」
布越しに伝わるぬくもりに、胸の鼓動の速さが増していく。
ドキドキしているのがバレそうで、やんわりと離れようとしたものの、さらに強い力で抱きしめられてしまった。
まるで心臓が身体の外についているかのように、ばくばくとうるさい。
絶対将生にも気づかれちゃっているよね? 抱きしめられてドキドキしていることに。
だけど将生に抱きしめられても嫌じゃない。胸が苦しいけれど、彼のぬくもりが心地よくも感じる。
どれくらいの時間、抱きしめられていただろうか。きっとほんの数十秒しか経っていなかったと思う。だけどとても長い時間に感じた時、彼は私の耳もとで囁いた。