Serious Finght ー本気の戦いー
第3章  仮面の正体
「私、不良になりたいです。」
この言葉から悪夢が始まった。

#視点 美咲
は?何言ってんの?こいつ。て言うか何で私達に言って来るんだよ。なりたきゃ勝手になってろっつーの。
でも、名前位聞いとくか。
【美】「あんた、名前は?」
そう聞くと彼女はニヤリと笑い、「私、坂野流華(サカノ ルカ)2-D」と答えた。
【夜】「坂野さんってあの金持ち家のお嬢さん……?」
【実】「お金持ちなの?凄ーい。」と言い、イチゴミルクを飲んでいる。関係ない話だが、最近実樹が、飲んでいるイチゴミルクとるるるちゃんがコラボしたらしくて、実樹はイチゴミルクを買うのに必死らしい。
この話は置いといて……、私はまた彼女に問いかけた。
【美】「お金持ちのお嬢さんが不良になりたいって?おかしな話だな。」
【流】「えぇ。私ね、親が嫌いなの。」
(嘘、ほんとは大ー好き)と言った。夜月は流華の言葉に腹をたてていた。
【夜】「親が嫌いとか……簡単に言うなよ……」と小さな声で呟き、坂野を睨みつけている。
すると突然実樹が、「不良になりたいならなれば?」と軽々しく言った。
こいつ、絶対未来見てない。適当に言いやがったな。
でも、実樹が言っちゃったし駄目だとは言えない。
夜月も「ほんと馬鹿。」って思ってるよな。絶対。
【流】「良いんですか!?」
大袈裟に驚き、飛び跳ねている坂野がとてもうざく思えた。
【実】「うん。だってなりたいんでしょ?不良に。……なら別にいいんじゃない?ねっ」
そう言うと実樹はこちらを見てきた。その目が逆らえそうに無かったので、「はァ……分かった。」と答えてしまった。夜月の目がとても痛かったのは気にしない事にしよう。そうしよう。
すると夜月が、ニコリと不吉な笑みを浮かべ「一回様子見ね?」と言ってきた。その声はふたりに聞こえていない。私も「りょーかい」と答えた。
【流】「やったぁー!ありがとうございますぅ!!実樹ちゃん、美咲ちゃん、夜月ちゃん!」と言い私達に近づいてきた。マジでキモい。そう思ったが言わない事にした。
だけど、急に名前で呼ばれた事に腹がたち、「あのさ、気安く名前で呼ばないでくれる?まだあんたのこと信用して無いから。」と坂野を突き放した。
「チッ……」
誰かの舌打ちが聞こえたがきっとそれは坂野だろうと思った。夜月も気づいているはずだ。
数分後、本部基地の扉が開き玲央達が入ってきた。玲央は坂野を見て不思議な顔をしている。
【玲】「ん?誰……?」
と尋ねてきたが、坂野が邪魔をした。
【流】「きゃあ!菅谷くん、鉄くん、柊くんだぁ!ぁたしはぁ、坂野流華っていいまぁ〜すぅ。不良になりましたぁ!よろしくでぇ〜す♡」
きっも……キャラ変しやがった。こいつ、男を前にするとぶりっ子になるタイプの奴かよ。
そう思ってると玲央が、「あっそ、邪魔」と言って彼女の横を通った。
【流】「きゃっ、!菅谷くんに冷たくされちゃったぁ!流華嬉しいぃ〜♡」
マジかよ……こいつ。玲央に冷たくされて嬉しいとか……。
意味わからねぇ。こいつとやっていける気がしないんだが……

#視点変更 夜月
この子相当男好きだな……きっとケンカなんてやったこと無いと思うから、ケンカ行くとききっと仮面剥がれるよぉ(笑)
あーぁ、君の仮面外してあげるよ。
楽しみ。

#視点変更 流華
私は男が大好き♡
大好きと言うかモテたいの。私可愛いからぁ、男がうじゃうじゃ寄って来るのよねぇ。でもそれはブスばっか。私はイケメンくんが大好き♡
だから私は『不良』になろうとした。
不良になればこの学校のイケメントップ3の男子にも会えるし、話せる。私って天才。
だけどそこには邪魔者が3人いるの。だ・か・ら私はその3人を消そうと思う。そしたら邪魔者が消えて彼達は私の事しか見れなくなる。あぁなんて素晴らしい考え。……でもまずは彼女達と仲良くしないとね。
私は偽りの仮面を身につけた。絶対にバレないよ?だって私、演技上手だもん。

#視点無し
何日か後。実樹以外のメンバーはそろそろ限界が来ていた。
美咲は見るのが耐えられなくなり、夜月はケンカを売りに来ない事に苛ついていた。もしかしたら、坂野流華が何か仕込んでいるのでは無いかと思い始めている。
男子3人は流華に話しかけられたり、ベタベタ触れたり、後を着いてきたりで精神的にも限界がきていた。何度か美咲や夜月に助けを求めるも、2人は、無理だ。我慢して。と言い助けてくれない。
実樹はもう論外だ。こいつが悪いからな。
玲央は夜月を呼び、溜まっていてものを吐き出した。
【玲】「あーあ!もう無理だ!耐えられねぇ!!あの女腹立つ!!」
と言い学校の壁を思いっきり殴りつけた。
【夜】「だろうね。私もうんざりだよ。……あの子相当な男好きだし止めようがないよね。」としゃがみ込みながら言う。
【夜】「あーぁ、早くケンカ売って来ないかなぁ。」と夜月が言うと、ほんとに果し状が飛んできた。しかもナイフが刺さってある。
【玲】「危ねッ……ってマジで飛んで来やがった。お前超能力者か……?」と尋ねてきた玲央を無視し夜月が「ナイスなタイミング」と呟いた。
夜月は玲央の方を見てニヤリと笑った。
【夜】「さぁ、あいつに痛い目見せてやろう。」といい、皆のいる本部基地へと向かった。
夜月が扉を開けると、皆夜月の方を向いた。
【夜】「また、果し状届いたよ。」と言うと、坂野流華は顔を青ざめた。
【聖】「今日は何処からだ?」と聖也が尋ねた。
夜月は「よく分からない高校から。いつもの廃工場だって」と言い、流華の方に目を向ける。
顔が青ざめている流華がとても面白い。滑稽だ。
【流】「じゃぁ……私は、帰る……」
夜月はその言葉を聞き逃さなかった。流華が帰らないように道を塞ぎ、「ケンカ、するよね?」と圧をかけた。
流華は思わず、「う、うん……!だって不良だもん!」っと言った。しかしその顔は固くなっている。笑顔も引きつっていたし。
実樹が「そうだよねぇ。」と言うと、流華は苦笑いをした。
夜、学校に集合する事を約束し、一度皆家へ帰った。
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