Serious Finght ー本気の戦いー
第4章  予想外の出来事

朝。本部基地にいつものメンバーが集まっている。
すると扉からノック音が聞こえ、開けてみるとそこには友ちゃんがいた。
【友】「突然だが朝会をする事になった。」
皆は、えーっという表情を浮かべていた。
【聖】「それ、俺達に関係あんの?」
と聖也が聞くと、「一応な。」と簡単に答えた。
【夜】「それってどんな事やんの?内容が良ければ行くけど。」 
こいつらは相当な面倒臭がり。ケンカしか頭にない奴らばっかりだ。
【友】「んまぁ、転校生の紹介とお前らの喜ぶ事。」
喜ぶ事っつたら実樹が喰いついてくるだろ。と友は思った。
案の定実樹引っ掛かり、「喜ぶ事って!?」と目をキラキラさせながら言ってきた。
【友】「来たら分かるぞ?」と言い、友はニヤリと笑った。


講堂には沢山の生徒が静かに待っていた。
私達が入ると一瞬にざわつき始める。
これもいつもの事だ。気にする必要はない。


それから数分立ち、先生の紹介に移った。
校長先生と一緒にステージへと上がったのは、私達が1年生のとき友ちゃんと一緒に私達の面倒を見てくれた先生だった。
【龍】「木下龍也です。」
その姿に私達は驚いた。
【龍】「えー、諸事情により教師の仕事をお休みしておりました。ですがまたー……」
【玲】「龍先生治ったんだ。」
【実】「元気そうだね。」
実樹はそう言うと手に持っていたイチゴミルクを飲み始めた。
【夜】「これが友ちゃんの言った喜ぶ事?」
【友】「そ、嬉しかったろ?」と言い、こちらに笑顔を向けた。
【渚】「龍先生、また僕らの担当かなぁ」
渚はワクワクしながら言うと、「いや、違う。」と暗い声で私達に向かって言った。
私達は驚いた。いつも一緒だった龍先生が担当じゃないなんて……。
結構ショックだ。
【友】「見てたら分かる。」
そう言うと皆はまたステージの方に目を向けた。

次は転校生の紹介へと移った。
しかしなかなかステージへ上がって来ない。生徒達がざわざわし始めると、ある先生が「早くしなさい!」とでかい声で言った。
すると一人の女の子が「ダルっ」と聞こえる声で言い、自己紹介を始めた。
【莉】「赤水(セキスイ)高から来た、浦田莉緒(ウラタ リオ)だ」
【彩】「同じく、赤水高から来た、中里彩(ナカサト アヤ)」
【琴】「同じく、赤水高から来た、杉下琴(スギシタ コト)でーす!」
【一】「同じく、赤水高から来た、桐生一真(キリュウ カズマ)」
【翼】「同じく、赤水高から来た、前田翼(マエダ ツバサ)です。」
【悠】「同じく、赤水高から来た、島崎悠斗(シマザキ ユウト)」
自己紹介が終わると拍手が浴びられた。
しかし私達は知っている顔が何個かあり凄く戸惑ってしまった。
【実】「莉緒ッ……チャン……」
【美】「マジ……かよ……。」
【夜】「翼転校してきたんだ。」
夜月だけ澄ました顔でいるが二人は何故か焦っている顔つきだった。 
この人達と関わった事は無いはずなのに……夜月は不思議に感じた。
ある先生が彼女達に向かって、「皆に一言」と言った。
すると彼女達は「関わる気無いから。」と言ってステージをあとにした。
龍先生は彼女達の後を追っている。
きっと彼女達も不良で、龍先生はそっち側のお世話係になったんだと思った。


※ここから、赤チーム(元赤水高)と青チーム(現青火高)という表現をします。


赤チーム
私達が見知らぬ廊下を歩いていると後ろから走って来る音がした。
【龍】「ちょっと、君達!」
声をかけられたので振り返って見ると、私達の前に紹介されてた先生がいる。
【莉】「何?……あんたが私達のお世話係?」
【龍】「まぁ、そんな感じだ。」
【琴】「へぇー。」
そうか。それなら話が早い。 
私達の溜まり場を要求しなきゃ。
【一】「なぁ、空き教室ってないの?」
一真がそう言うとセンセーは不思議そうに「あると思うが……。」と答えた。
【悠】「じゃあ、そこ使わせてもらうわ。」
【龍】「はーぁ?なんで……!?」
センセーはそんな事も分からないのか……。
そんなの簡単な話だよ。
【翼】「俺達の基地にするんすよ、センセー。不良には溜まり場がないとなぁ。」
【彩】「そうそう。」
センセーは困った顔をしている。
【龍】「いや、校長先生に許可取らないとなぁ……。」
【莉】「そんなのどうでも良くない?」
【一】「まぁ、許可降りなくても使うし。」
そう言って私達は空き教室の方へ向かった。
道分からないけど。
【龍】「ほんと、昔のアイツら見てるみたいだな。……今も変わらないか(笑)」
龍も彼らの後を追うように空き教室へと向かった。



青チーム
本部基地へ戻ると、美咲と実樹は暗い表情をしていた。
【夜】「美咲と実樹元気無いね。特に実樹。いつもあんなうるさいのに。」
夜月は心配してくれてるらしいがいつも余計な事を言うので、バカにしてるようにしか聞こえない。
【実】「そ、そう?(汗
もしかして、イチゴミルク飲んで無いからかなぁー?」
いや、さっきいいだけ飲んでたよ。私達の記憶馬鹿にすんな。
と思いながらも、美咲にも尋ねてみた。
【夜】「美咲は?」
【美】「最悪……。なんで悠斗が転校してくんだよ……。」
と美咲は頭を抱えながら私達に向かって言った。
その姿が美咲の過去を表している様にも見えた。しかし、美咲の過去は誰一人として知らない。だから触れる事すら出来ない。
【実】「あの男子達ってゲーセンに居た子だよね?夜月の友達の!」
確かに、翼以外にも後ろに2人ほど居た。それがあの子達なんだ……。
【美】「そう、あの時なんで居るんだよって思った。」
【夜】「何があったまでは聞かないけど、島崎くん?の事嫌いなの?」
そう聞くと美咲は、声色を変えて「嫌いだよ。あんな奴……。……裏切り者め……!!」と言った。
美咲のこういう姿を見るのは初めてだった。美咲の過去に触れる事が出来ない私達は、静かな空間が長く続いた。
すると、雰囲気を変えるため渚が口を開いた。
【渚】「それにしても、この学校に不良が2組みも居るんだよ。面倒くさい事になるね。」
渚はフラグを立ててしまった。
【美】「あいつらとは絶対関わりたくない。」
島崎くんの事めっちゃ嫌いじゃん。関わりたくないってそんな事出来るはずないでしょう。
だって同じ敷地内に居るのに……会わない筈がない。
【夜】「無茶な話ね」
【実】「それじゃあ、実樹があの人達の様子見てこようか?」
は?こいつ、何言ってんの。
実樹が出来るはず無い。
【聖】「いや、無理だろ。」
【実】「ん?何言ってるのかな?聖也くん。」
と不思議そうに聖也の方を向く。
【夜】「実樹が行ったら『こんにちは〜!』とか言いそうで怖い。」
【玲】「こいつは無理だ。危険すぎる。」
と玲央も私達の意見に賛同した。
【実】「そんな事無いもん!!」
【玲】「俺は、昔からお前の事知ってっから分かるんだぞ。お前の行動ぐらい。」
実樹は、図星を刺されたのか反抗してこなくなった。
【実】(嘘つき、ほんとは知らないのに。最初からなんて)
【夜】「じゃあ、私行って来るよ。一応、調査係だし。」
そう言って扉に手を伸ばすと、
【聖】「気をつけろよ。」と心配された。
【夜】「私、子供じゃない。」
と言って本部基地をあとにした。
< 12 / 28 >

この作品をシェア

pagetop