Serious Finght ー本気の戦いー
夜、莉緒は母の部屋に入りアルバムを探した。
母は1度も私にアルバムを見せてくれた事がない。しかし持っている事は知っている。
【莉】「あった……。」
莉緒は埃が被っているアルバムを手に取り、中を開いた。
そこに映っていたのは、莉緒ともう一人の男の子。
莉緒は目を疑った。
近所の子だとも思ったが、ふたりは瓜二つだった。
莉緒は琴に言われた事を思い出した。
【琴】「菅谷くんって莉緒の生き別れの兄妹だったりしてー。」
琴が言ってた事は正しいかもしれない。だけど……あいつと兄妹なんて、思いたくない。
莉緒はアルバムめくった。
めくるたび莉緒と一緒に映って居るのはあの男の子。そしてもう一人の女の子も居た。この子はきっと友達だったのだろう。
でもどうして昔の記憶が無いんだ?と莉緒は思った。
この写真に映って居る公園に行けば何か思い出すかもしれない。そう思いアルバムからその写真を抜き取り、母の部屋から出た。
そして、あの公園へと向かった。
莉緒は家の近くにある星ノ丘公園に来た。
【莉】「ここだ……。」
莉緒は公園に足を踏み入れ、丘の方に歩いていく。
丘を登ると満天の星が輝いていた。
【莉】「星、綺麗。輝いてる……。」
莉緒は上を向いたまま独り言をつぶやいた。
この空が、星が懐かしく感じる。
でも何かが足りない。
すると、公園前に誰かが突っ立っているのが見えた。
【実】「莉緒ちゃ……ん……。」
そこにいたのは、青火の副番 花蝶実樹だ。
莉緒が気づくと、実樹は走って何処かへ消えてしまった。
【莉】「花蝶……?」
実樹は星ノ丘公園が見えなくなる所まで走り、曲がり角でブレーキをかけた。
莉緒ちゃん、莉緒ちゃんだった。なんであの公園に?……忘れていた筈なのに……。
もしかして、玲央みたいに思い出してきたの?……おかしいよ、あの公園は3人の思い出の場所なんだ。
思い出せる筈ない……。でも……、奇跡が起きたんだ……。ふたりが思い出そうとしている……。
私はどうすれば……。
幼い頃実樹は何かあるたびに星ノ丘公園で泣いていた。
この公園は実樹にとって慰めの場所。ここに来れば、いつだって元気になれた気がした。
【莉】「みーき。」
【玲】「どうした?」
幼い時の莉緒ちゃんと玲央だ。ふたりは私が泣いているといつもの来てくれる。そして慰めてくれるんだ。
【実】「ママとケンカした……。」
実樹は泣きながらふたりに事情を伝えた。
【実】「ママにね、キライって言ったらお家から出てけって言われて……。寂しかった……。」
実樹は泣きながら喋るとうまく感情を表に出せない。だけどふたりは実樹の事を分かってくれる。
【莉】「だいじょーぶ。実樹はひとりじゃないよ。」
【玲】「俺たちがついてるじゃん。」
莉緒は実樹の頭を撫でた。
【実】「うん。ありがとう。」
実樹はふたりの方を見た。そして微笑んだ。
【玲】「なぁ、空見て?」
玲央はそう言い、空を指差した。
【実】「うわぁ〜!」
【莉】「きれい……!」
空には満天の星が広がっていた。星の一つ一つが分かる。この日初めてこの空を3人で眺めた。
【玲】「俺、お星さまにお願い事したんだ。」
【莉】「宇宙飛行士になりたいとか?」
莉緒はニヤニヤしながら玲央に言った。
【玲】「違う!そんなんじゃないよ!……ずっと3人で居られますようにって。」
玲央はこちらを向きニカッと笑った。
【実】「実樹も!!」
実樹はそう言うと、両手を合わせ目を瞑りお星さまに玲央と同じ事をお願いした。
【玲】「俺の願い事とんな。」
【莉】「3人で同じ事願えばそのぶん叶うじゃん。」
莉緒はそう言うと、実樹と同じようにお願い事をした。
【玲】「そうだけど。」
玲央はそっぽを向いた。
実樹はふたりの手をとり、「ずーーーっと、一緒だよ!!」
と言った。
ふたりはニコリと微笑み「うん!」と頷いた。
【実】「叶ってないよ……?どうして……?3人でお願い事したのに……。……神様なんて存在しないんだ。」
実樹はまた歩き始めた。
ー青チームー
朝。本部基地にいつもの6人が揃っていた。
【美】「おーい、実樹。」
美咲はぼーっとしてる実樹を呼び起こしている。
【夜】「駄目だ、こいつ目死んでる。」
夜月は呆れ自分のスマホに目を向けた。
【聖】「いつもの元気どうしたよ。」
聖也も実樹の顔に手を振って見るも、実樹に反応はない。
すると玲央が実樹の頭を軽く叩いた。
【実】「痛っ、ちょ、何すんの玲央!」
実樹は玲央の方を向いた。玲央は実樹の頭の上にイチゴミルクをのせる。
【実】「ありがと……。」
実樹はイチゴミルクを手に取り飲み始めた。
【玲】「良いよ、別に。」
そう言うと玲央はソファーに座った。
【夜】「玲央なりの優しさってやつか。」
【玲】「うるせぇ。」
夜月は玲央をからかった。
実樹はイチゴミルクを飲みながら、ある事を考えていた。
実樹っていつも、玲央や莉緒ちゃんに励まされたり、助けられてばっかりだ……。本当変わってない。ひとりじゃ何もできない……。
実樹ってほんと弱いな……。
母は1度も私にアルバムを見せてくれた事がない。しかし持っている事は知っている。
【莉】「あった……。」
莉緒は埃が被っているアルバムを手に取り、中を開いた。
そこに映っていたのは、莉緒ともう一人の男の子。
莉緒は目を疑った。
近所の子だとも思ったが、ふたりは瓜二つだった。
莉緒は琴に言われた事を思い出した。
【琴】「菅谷くんって莉緒の生き別れの兄妹だったりしてー。」
琴が言ってた事は正しいかもしれない。だけど……あいつと兄妹なんて、思いたくない。
莉緒はアルバムめくった。
めくるたび莉緒と一緒に映って居るのはあの男の子。そしてもう一人の女の子も居た。この子はきっと友達だったのだろう。
でもどうして昔の記憶が無いんだ?と莉緒は思った。
この写真に映って居る公園に行けば何か思い出すかもしれない。そう思いアルバムからその写真を抜き取り、母の部屋から出た。
そして、あの公園へと向かった。
莉緒は家の近くにある星ノ丘公園に来た。
【莉】「ここだ……。」
莉緒は公園に足を踏み入れ、丘の方に歩いていく。
丘を登ると満天の星が輝いていた。
【莉】「星、綺麗。輝いてる……。」
莉緒は上を向いたまま独り言をつぶやいた。
この空が、星が懐かしく感じる。
でも何かが足りない。
すると、公園前に誰かが突っ立っているのが見えた。
【実】「莉緒ちゃ……ん……。」
そこにいたのは、青火の副番 花蝶実樹だ。
莉緒が気づくと、実樹は走って何処かへ消えてしまった。
【莉】「花蝶……?」
実樹は星ノ丘公園が見えなくなる所まで走り、曲がり角でブレーキをかけた。
莉緒ちゃん、莉緒ちゃんだった。なんであの公園に?……忘れていた筈なのに……。
もしかして、玲央みたいに思い出してきたの?……おかしいよ、あの公園は3人の思い出の場所なんだ。
思い出せる筈ない……。でも……、奇跡が起きたんだ……。ふたりが思い出そうとしている……。
私はどうすれば……。
幼い頃実樹は何かあるたびに星ノ丘公園で泣いていた。
この公園は実樹にとって慰めの場所。ここに来れば、いつだって元気になれた気がした。
【莉】「みーき。」
【玲】「どうした?」
幼い時の莉緒ちゃんと玲央だ。ふたりは私が泣いているといつもの来てくれる。そして慰めてくれるんだ。
【実】「ママとケンカした……。」
実樹は泣きながらふたりに事情を伝えた。
【実】「ママにね、キライって言ったらお家から出てけって言われて……。寂しかった……。」
実樹は泣きながら喋るとうまく感情を表に出せない。だけどふたりは実樹の事を分かってくれる。
【莉】「だいじょーぶ。実樹はひとりじゃないよ。」
【玲】「俺たちがついてるじゃん。」
莉緒は実樹の頭を撫でた。
【実】「うん。ありがとう。」
実樹はふたりの方を見た。そして微笑んだ。
【玲】「なぁ、空見て?」
玲央はそう言い、空を指差した。
【実】「うわぁ〜!」
【莉】「きれい……!」
空には満天の星が広がっていた。星の一つ一つが分かる。この日初めてこの空を3人で眺めた。
【玲】「俺、お星さまにお願い事したんだ。」
【莉】「宇宙飛行士になりたいとか?」
莉緒はニヤニヤしながら玲央に言った。
【玲】「違う!そんなんじゃないよ!……ずっと3人で居られますようにって。」
玲央はこちらを向きニカッと笑った。
【実】「実樹も!!」
実樹はそう言うと、両手を合わせ目を瞑りお星さまに玲央と同じ事をお願いした。
【玲】「俺の願い事とんな。」
【莉】「3人で同じ事願えばそのぶん叶うじゃん。」
莉緒はそう言うと、実樹と同じようにお願い事をした。
【玲】「そうだけど。」
玲央はそっぽを向いた。
実樹はふたりの手をとり、「ずーーーっと、一緒だよ!!」
と言った。
ふたりはニコリと微笑み「うん!」と頷いた。
【実】「叶ってないよ……?どうして……?3人でお願い事したのに……。……神様なんて存在しないんだ。」
実樹はまた歩き始めた。
ー青チームー
朝。本部基地にいつもの6人が揃っていた。
【美】「おーい、実樹。」
美咲はぼーっとしてる実樹を呼び起こしている。
【夜】「駄目だ、こいつ目死んでる。」
夜月は呆れ自分のスマホに目を向けた。
【聖】「いつもの元気どうしたよ。」
聖也も実樹の顔に手を振って見るも、実樹に反応はない。
すると玲央が実樹の頭を軽く叩いた。
【実】「痛っ、ちょ、何すんの玲央!」
実樹は玲央の方を向いた。玲央は実樹の頭の上にイチゴミルクをのせる。
【実】「ありがと……。」
実樹はイチゴミルクを手に取り飲み始めた。
【玲】「良いよ、別に。」
そう言うと玲央はソファーに座った。
【夜】「玲央なりの優しさってやつか。」
【玲】「うるせぇ。」
夜月は玲央をからかった。
実樹はイチゴミルクを飲みながら、ある事を考えていた。
実樹っていつも、玲央や莉緒ちゃんに励まされたり、助けられてばっかりだ……。本当変わってない。ひとりじゃ何もできない……。
実樹ってほんと弱いな……。