Serious Finght ー本気の戦いー
【美】「それじゃあ夜集合で」
美咲はそう言い残し帰って行った。私達も置き手紙を残し自分の家へ帰った。

#視点変更 男子チーム
長い始業式と入学式が終わり本部基地へ戻ると机の上に謎のメモ書きがおいてあった。それを見ると夜月の字で「帰る」とだけ書かれていた。
あいつらは勝手に始業式を放り投げ、挙げ句の果てには帰るって自由すぎかよと思ったけど、やっぱあいつららしいな。
そう思いつつ、俺達は何も入ってないカバンを持ち自分の家へと帰った。

#視点変更 女子チーム
深夜になる少し前、夜月と美咲は学校の校門で実樹を待っていた。
やっぱり忘れてるかなぁと思いながらも、ぎりぎりまで待ってみるかという美咲の案に賛成した。
実樹が忘れるなんて毎回のことでなれてる2人はくだらない話をして待っていた。
20分ほど待っていると後ろから物凄い足音がした。後ろを振り向くと猛スピードでこちらに迫って来る実樹姿が見えた。
【実】「ごめーん!寝てたー!!」
その言葉を聞きふたりは、またかと思い実樹から逃げるように小走りで廃工場へと向かった。

廃工場へ着くと夜月と実樹は物陰へ隠れた。
美咲はひとりで廃工場へと入って行く。
廃工場の中へ入ると、そこには昨日私達にケンカを売ったチンピラ2人とドラム缶の上に座っている女がいた。
女は私に気づき、座っていたドラム缶を蹴っ飛ばし美咲にこう言った。
【女】「あら、ちゃんとひとりで来たのね。偉いじゃない。」その言葉は挑発としか思えないような言い方だった。
美咲は苛立ちを抑えながら、女を睨みつけ、
「当たり前だろ」と言った。
女の隣にいたチンピラ2人が、「こいつですよ!姉貴!」と言いニヤニヤした顔をしていた。きっとチンピラはひとりならやれるとでも思っているのだろうか。美咲は馬鹿だなと思いながら、先へ進むのを待っていた。
すると女がチンピラ2人に対して、「ひとりなら余裕でしょ?」と言い、2人を私の元へと送り出した。チンピラ2人も「はい!」なんて元気よく言って負けると思ってないその目を見て私は笑ってしまった。
チンピラ達はこちらに迫ってき、拳が私の顔を狙ってきた。
反射的に避けチンピラに蹴りを入れた。するともう一人のチンピラが蹴りを入れてきたらしく、避ける暇がなかったため、当たってしまった。
しかし、あまり痛みを感じなかった。私に蹴りを入れたチンピラに私は、容赦なく顔面に拳を入れた。チンピラは鼻血を出しその場で倒れてしまった。
チンピラ2人の間抜けな姿を見た女はいても立ってもいられなくなってしまい、美咲の元へと歩み寄った。その手には鉄パイプが握られている。女はチンピラ2人に向って「本当雑魚だね、あんた達。……あとはあたしに任せな!」とくさい台詞を言い美咲に飛びかかってきた。
美咲は、後ろに一歩引き彼女の動きをよく見た。
女は美咲に向って鉄パイプを投げつけた。その勢いは人間が当たったら気絶するぐらいの勢いだ。この女からこんな凄い力が出るとは思ってもいなかった美咲は少しびびった。
女が投げた鉄パイプは美咲の頬を少しかすり、カランカランという音を立て地面に転がった。女の手に鉄パイプがない今、チャンスだと思い美咲も攻撃にでた。
しかしチンピラ達が女が投げた鉄パイプを拾い、女に向って鉄パイプを投げた。そしてもう一人のチンピラが美咲の腕を掴み身動きができない状態にした。
【美】「離せ!!」と言いながらジタバタしている美咲に女は鉄パイプを思いっきり美咲の頭の上に殴りつけた。
【美】「ッ!!」
痛みを感じた美咲は何が起こったのか、鉄パイプの衝撃で一瞬わからなくなってしまった。
しかし美咲は我に返り、この状況に批判した。
【美】「こんなの卑怯だぞ!正々堂々とお前たちは戦えないのか!?」と女に向って言ったが女は「これが仕返しってやつよ(笑)」と言い美咲の顔を殴った。しかしその攻撃は当たらず、代わりにチンピラが受けてくれた。
女が目を疑うとそこには美咲の姿がない。どこへ行ったのかキョロキョロとあたりを見渡すと後ろに人間の気配がした。
女が後ろを振り返る前に、美咲は女の腰あたりに蹴りを入れ、女を数メートル先まで飛した。
【女】「ッ!!凄い威力……ガキのくせに……!!」
女は少しふらつきながら立ち上がった。
美咲は「さっきのお返し」と言い女の顔面を2,3発殴った。
女は手に力が入らなくなり鉄パイプを地面に落とし、地面に倒れ込んだ。それを見たチンピラ2人は女に駆け寄りに行くも、美咲の蹴りを受け倒れてしまった。
女は帰ろうとする美咲の足を掴み、意識がまだあるうちに殺すと言わんばかりの表情で美咲を睨みつけるが、美咲は「もう観念しなよ。お前たちは私に負けたの。私ひとりにね。……甘くみんなよ、雑魚が。」とだけ言い女の手を踏みつけ廃工場をあとにした。

廃工場を出ると、ふたりは心配そうにこちらに駆け寄ってきた。ふたりの表情を見ると、一気に力が抜け、美咲は夜月の方に倒れ込んだ。
【夜】「お疲れ様。よく頑張ったね」といつもとは違う優しい声で言ってきた。その優しい笑顔と声を聞くと、「あぁ、うち勝ったんだ……」と思い、少しずつ夜月の腕の中で意識を手放した。

帰り道美咲を背負った夜月とその隣で歩く実樹の姿があった。月明かりに照らされた3人はいつも以上に輝いていた。
実樹は眠っている美咲を見て、「心配したんだぞ」と笑顔で言い美咲の顔を突っついた。
その言葉につられ、夜月も「本当だよ」と静かな声で言った。
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