Serious Finght ー本気の戦いー
第2章 大人なんて大っ嫌い

#視点 夜月の過去
私は大人が大嫌いだ。大人っていう奴は、いつも自分勝手で子供に自分が嫌だった事、不満、怒りを全てぶつけてくる。
自分の言葉に責任を持てなんて言うけど、あんたらは?ちゃんと自分の言葉に責任持ててるの?
大人の言う事はいつも矛盾ばかり。子供に押しつけて、何がそんなに楽しいの?子供をいじめて何がいいの?

本当に最低だ……

私が、5歳の頃。
私はいつも母や父に褒められていた。
幼稚園での出来事、友達関係の事、話すだけで2人は笑顔になる。その時は私も嬉しかった。これからも頑張ろうと思えたのにな……。
小学校高学年になる頃には、褒められる事も無くなってしまった。
決して私が、馬鹿だからではない。
父だ。父がおかしかったんだ。

父の務めていた会社が倒産仕掛けていた。仕事の上司との付き合いも上手くいかない父は、そのストレスを私にぶつけていた。
テストで90点以上取らなければ、この家から追い出すと言われていた私は必死に努力し、95点という高得点をたたき出した。
父に、テストの結果を聞かれると私は「95点でした」と言い、テスト用紙を父に見せた。
しかし父はその点数を許さなかったのだ。
【父】「なんでお前はこの位の点数しか取れない!?私はいつも100点と言っているだろうが!!」と言い、酒の瓶を私に投げつけた。
そんな事言ってない。90点以上と言っていたはずだ。意味が分からない。矛盾している。私は頭が回らなくなりに、ついには父に口答えをしてしまった。
【夜】「そんな事……言ってな……」
【父】「口答えするなッ!!」
いつもの怒鳴り声。慣れた筈なのに体が怯んでしまう。
【夜】「ッ……!」
【父】「今日はずっと自分の部屋で勉強していろ。飯抜きだ」と言い、父は酒を飲み干した。

私は15歳になった。
もう限界だ。生きているのかわからない状態まで父と母に殴られ続けた。母も父からの暴力受け、そのことにストレスを溜めてしまい、私にストレスをぶつけていた。本当に怖かった。苦しかった。
でも、言葉に出すと泣いてしまいそうで、父にまた殴られてしまいそうで、口には出さなかった。
高校に入る前、私は一人暮らしがしたいと父に告げた。本当は顔も見たくなかったが……だめと言われるかと思っていたが、違った。
【父】「好きにしろ。お前はもういらない。ここに居ても邪魔なだけのゴミだ。」
そんな風に言われるとは思ってもみなかった。
【夜】「そんな風に思っていたんだ。……ごめんね、邪魔な存在で……」
そう言い、父の部屋から出た。
あんな風に思われてた事がショックで……あんたの道具でしか無かった私をゴミ扱い。酷すぎる。私がいなかったらあんたはストレスで死んでいたかもしれないのに……
ふと涙が溢れた。
その夜私は、友ちゃんの家ヘ行き沢山泣いた。全部友ちゃんに吐き出した。辛かった事、苦しかった事、痛かった事。溜まりに溜まったものが、全部消えていくかのように、泣きじゃくった。

昔はあんなに優しかったのに、どうして変わってしまったのだろう。
私は一瞬にして大人が怖く、信じられなくなってしまったんだ。
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