二人のないしょ話
「私は、文化祭で手話をしたいです」
その一言で、クラスが一気に騒がしくなった。
理由は二つ。一つは「手話」という単語が登場したから。そして、もう一つは……小泉(こいずみ)さんが喋ったことだ。
俺は神山空(かみやまそら)。「あるもの」を習っているということを除けば、どこにでもいる高校一年生。
もうすぐ文化祭。みんな教室でそのことばかり話している。一人を除いて……。
「プッ!小泉さん、また本読んでるよ」
「四月から変わらないよね〜。お弁当も一人で食べてるし……。友達、いないのかな?」
クラスの女子が、本人に聞こえるように、わざと大声で言った。
俺が言われたわけではないのに、胸がズキンと痛む。
小泉さんは話す人はちゃんといる。勝手なことを言うなんて許せなかった。
その一言で、クラスが一気に騒がしくなった。
理由は二つ。一つは「手話」という単語が登場したから。そして、もう一つは……小泉(こいずみ)さんが喋ったことだ。
俺は神山空(かみやまそら)。「あるもの」を習っているということを除けば、どこにでもいる高校一年生。
もうすぐ文化祭。みんな教室でそのことばかり話している。一人を除いて……。
「プッ!小泉さん、また本読んでるよ」
「四月から変わらないよね〜。お弁当も一人で食べてるし……。友達、いないのかな?」
クラスの女子が、本人に聞こえるように、わざと大声で言った。
俺が言われたわけではないのに、胸がズキンと痛む。
小泉さんは話す人はちゃんといる。勝手なことを言うなんて許せなかった。
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