二人のないしょ話
俺は小泉さんに近づく。

「だっ……大丈夫……。ほっ、ほっといて!」

俺は、自分が座っていた場所に戻った。

「……泣いてる理由、訊かないの?」

驚きながら小泉さんが訊いてくる。

「小泉さんが言いたくなさそうだし……。無理には訊かないよ」

俺がそう言うと、「ありがとう」と小泉さんは微笑む。とても綺麗だった。

それから、小泉さんと話すことが多くなった。

小泉さんは俺にだけ、優しく笑った顔を見せてくれる。

いつか、小泉さんの心からの笑顔が見れたらいいな、と思うようになっていた。



「他に案はあるか〜?」

先生の声で、現実に引き戻される。

案は俺がぼんやりしている間に、たくさん出されていた。お化け屋敷、劇、カフェなど面白そうなものがたくさんある。
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