ずっとキミしか見えてない
chapter*4

足枷

 朝、女子トイレで高崎さんと中村さんが「結城さんと月島くんと釣り合ってない」という話を聞き、私は憂鬱な気持ちで一日を過ごしていた。

 あのふたりとはあまり話したことがなく、今まではクラスの中の別の女子グループとしてしか見ていなかったけれど、ふたりが何かを話したり、笑ったりしているたびに、自分のことを言われているんじゃないかと、びくびくしてしまう。

 もちろん光雅くんは、私にそんなことがあったなんて知る由もないから、休み時間や授業中に、いつも通り他愛のないことで話しかけてきた。

 光雅くんと話ができるのは嬉しい。

 だけど、高崎さんや中村さんが――いや、他のクラスメイト達が、「月島くんの迷惑になるんだから、関わらないでよね」と思っている気がして、あまり言葉が出てこなかった。

 そして、生物の授業が終わった後。

 担当の先生が、私の元へとやってきた。


「結城さん。はい、これ今日のプリント。今日で終わりだから、頑張ってね」
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