ずっとキミしか見えてない

釣り合わない

　良悟くんがさらりと告白してきた次の日、登校して教室に着くと、もう彼は自分の席にいた。


「お、紗良ちゃん。おっはよー」

「あ……おはよー」


　良悟くんを見た瞬間、昨日のことをいろいろ思い出してしまい、どんな顔をしたらいいのかわからなかったけれど、彼があまりにもいつも通り挨拶をしてきたので、つられて返してしまった。

　告白の時はちょっと本気っぽく見えたけど、やっぱり冗談だったのかな？

　……うん、きっとそうだな。私一応良悟くんを振ったことになると思うんだけど、その割にはなんだか平然としているし。

　通学鞄を置いて席に着くと、今度は光雅くんが登校してきた。

　彼は無表情で私の隣の席に着く。

　私に何も声を掛けてこなかった。

　最近の私の態度を考えれば、こんなの当たり前だよね。

　昨日なんて、良悟くんの質問に困ってしまったせいとはいえ、走って逃げちゃったんだし。

　――苦しいけれど、仕方ないよ。

　私が望んだことなんだから。
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