ずっとキミしか見えてない
 よく見ると、彼に声援を送っている女の子達の中には、私と違うクラスの子もいた。

 先輩らしき姿もある気がする。

 クラス対抗の体育祭で彼女らが光雅くんを応援してしまったら、敵チームにエールを送ることになるのでは……?

 まあ、個人の自由だと思うけど。

 それにしても、本日の光雅くんは本当に絶好調だ。

 何度か体育の時間にバスケットボールの練習をしている彼を見たことはあるけれど、今までで一番動きがいいように見える。

 やっぱり、光雅くんに迷惑をかけていた私が離れたからだろうか。

 関係ないかもしれないけれど、得点を重ねていく光雅くんを遠目で見てはそんなことを考えてしまう。

 そんなことを思いながらも私はバレーボールの試合に臨んだ。

 一回戦は同じ一年生同士で、僅差でなんとか勝利をすることができたけれど、二回戦は優勝候補の一角である三年生と当たってしまった。

 結果、三セットをストレートで取られてしまい、惨敗。

< 182 / 228 >

この作品をシェア

pagetop