ずっとキミしか見えてない
chapter*1

再会

 高校の正門を入ると、桜の木が外壁に沿うように立ち並んでいるのが見えた。

 まだ少し冷たい春の風に吹かれて、花びらが鼻先をかすめる。

 まるで私たち新入生を、歓迎してくれているかのような鮮やかな花の舞だった。

 そう、私――結城紗良(ゆうきさら )は今日から晴れて高校生となる。

 中三の夏ごろまでは、担任の先生にも「かなり勉強を頑張らないと厳しい」と言われた高校の門をくぐって。

 制服がかわいくて、仲良しの友達の芽衣もこの学校を目指していたから、どうしても私はここの高校に入学したかった。

 だから私は、先生に言われた通り「かなり頑張った」。

 その結果無事に「サクラサク」という結果になって、心底嬉しかった。

 ここの高校は授業のスピードがかなり速いらしく、日頃の勉強をかなり頑張らないとついていけないらしいことは、今から心配ではあるけどね。

 部活動の勧誘をしている上級生たちや、少し緊張気味の新入生たちをかいくぐり、校舎前の掲示板にたどり着く。

 そこには、新一年生のクラスの名簿が張り出されていた。

 人だかりに揉まれながらも、頑張って自分の名前を探した。

 えーと。あ、あった! 一年三組かあ。知ってる子、いるかな? 芽衣( めい)が一緒だといいんだけど……。


「紗良ー!」

「わっ⁉」
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