ずっとキミしか見えてない
 頭上から、絞り出すような光雅くんの声が聞こえてきた。

 今までの想いをすべて込めて「私も」と、光雅くんと同じような声で私は言う。

 光雅くんの肩越しに、多くの流星が空から降り注いだ。

 きっと彼も、同じ空を見ているだろう。


「光雅くん。流れ星、たくさん流れているね」

「そうだね」

「一緒にお願いしようよ」

「――うん」


 光雅くんは私を抱きしめるのをやめる。

 そして彼は、私の手を取って自分のそれと固く結んだ。

 私たちは顔を見合わせて静かに微笑むと、ふたり揃って顔を上げて、天空を仰いだ。

 その瞬間、ひときわ大きな流星が刹那の光を放ちながら、出現した。 


「ずっと一緒にいられますように」


 私は空に向かって、そう願った。

 光雅くんの声も、偶然にも同じタイミングで、一字一句同じで重なった。

 私たちはその日、あの日は見ることのできなかった流れ星に向かって、ふたりのこれからを誓ったのだった。
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