ずっとキミしか見えてない
「紗良の気持ちなんて、見てれば分かるけど……。だって明らかに、恋する乙女の顔になってるよ。光雅くんと話すときの、紗良は」

「えー！」


　全く考えてもいなかったことだった。

　見ればわかるほど、私の恋心はバレバレだっていうの？

　うまく友達として付き合っていたつもりだったのに。

　でもきっと、付き合いの長い芽衣だから私の変化に気づいたのだろう。

　と、思った私だったが。


「良悟くんもこの前ニヤニヤしながら言ってたよ。『紗良ちゃん、光雅にぞっこんだねー』って」

「な、なんですと⁉」


　良悟くんにまで⁉　……と、なるともしかして。

　当の本人にも。光雅くんにも、バレている？


「あ、でも光雅くんはわかってないかも。っていうかいつもクールな顔してるから、何考えてるかよくわかんないや」

「そ、そう……？」


　私が不安に思っていることを察したのか、芽衣がフォローを入れてくれた。

　芽衣や良悟くんにバレバレだったことはショックだったけど、光雅くんが気づいていないようならいいか……。

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