ずっとキミしか見えてない
 心の中で私がこっそり決意していると、芽衣が教室のドアの方へ視線を向けて言った。

 良悟くんが、すれ違うクラスメイト達に軽い感じで挨拶をしながら、教室へと入ってきていた。

 すると、クラスの他の女子たちの中で、良悟くんをちらちらと見ている子達が何人かいるのが見えた。

 光雅くんとタイプは違うけれど、良悟くんも女の子に結構人気なのだ。


「おちゃらけてるけど、かっこいいもんね。そういえば本人に聞いたわけじゃないんだけど、最近付き合ってた彼女と別れたって噂。今まで彼女いるからって遠慮していた子が狙いにいくかもねー。まあ、私は付き合うならやっぱり年上がいいけどさ」


 芽衣が楽しそうに小声で言う。

 彼女はキャーキャー騒がれているイケメンを観察するのが好きなのだ。

 付き合う対象じゃないから、軽い気持ちでお祭りに参加できるのだろう。

 確かに良悟くんも、顔立ちはアイドルみたいだし、

 優しくて面白いから人気があるだろう。
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