ずっとキミしか見えてない
 でも私にはどうしてもチャラそうに見えてしまう。

 やっぱり私は断然光雅くん派だ。

 っていうか、光雅くん以外の男の子には、恋愛対象としての興味が一切湧かない。

 この思いが報われるかどうかは、とても怪しいけれど。

 そんなことを考えていると、良悟くんがこちらへやってきた。

 芽衣の隣の自分の席に、通学鞄を置きながら、私たちに向かってニカッと笑う。


「おはよーん。紗良ちゃん、芽衣ちゃん」

「おはよー」

「お、おはよ」


 芽衣につられて慌てて挨拶をする私。

 良悟くんより光雅くん派なんてことを、たった今まで考えていたから、なんとなく焦ってしまった。


「あ、ねえねえ良悟くん。噂になってるけどさ、彼女と別れたって本当?」


 他人の恋バナ大好きの芽衣が、ニヤけながら良悟くんに尋ねる。

 私も少し気になったので、彼にさりげなく視線を合わせた。

 一年以上付き合ってたって聞いたけど、別れちゃったのかな。
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