ずっとキミしか見えてない
あの時、一緒に星を見た男の子だよね?
彼にそう尋ねようと思って口を開きかけた。――だけど。
こんな昔のこと、彼は覚えているのだろうか?
もし忘れてしまっているとしたら、初対面なのに、変なことを言う子だと思われてしまうかも。
そう思ってしまった私は口をつぐみ、彼をじっと見つめるだけで何も言えずにいた。
すると彼は、そんな私に視線を返すと、少しだけ目を開いた。
驚いているような顔にも見えた。
そして、私と視線を重ねながら、こう言った。
「あれ、君は」
――え?
君は、何?
彼の言葉の続きが気になった私だったけれど、「月島―!」と呼ぶ声が聞こえた。
声のした方を見ると、この高校の先生らしき人がこちらに手を振っている。
眼前の彼が「はーい」と返事をした。
どうやら、月島くんというらしい。
八年という歳月を経て、初めて知った彼の苗字だった。
「ごめん、俺先生に呼ばれてるから。またね」
彼はそう言うと、私が何かを言う前に先生の方へと駆け寄っていってしまった。
彼――月島くんは、さっき何を言いかけたのだろう。
まさか八年前の出来事を、私のことを覚えていて、そのことを言おうとしたとか?
「ねえ、紗良。今の人超かっこよくない? 月島くんだってー。新入生かな?」
彼にそう尋ねようと思って口を開きかけた。――だけど。
こんな昔のこと、彼は覚えているのだろうか?
もし忘れてしまっているとしたら、初対面なのに、変なことを言う子だと思われてしまうかも。
そう思ってしまった私は口をつぐみ、彼をじっと見つめるだけで何も言えずにいた。
すると彼は、そんな私に視線を返すと、少しだけ目を開いた。
驚いているような顔にも見えた。
そして、私と視線を重ねながら、こう言った。
「あれ、君は」
――え?
君は、何?
彼の言葉の続きが気になった私だったけれど、「月島―!」と呼ぶ声が聞こえた。
声のした方を見ると、この高校の先生らしき人がこちらに手を振っている。
眼前の彼が「はーい」と返事をした。
どうやら、月島くんというらしい。
八年という歳月を経て、初めて知った彼の苗字だった。
「ごめん、俺先生に呼ばれてるから。またね」
彼はそう言うと、私が何かを言う前に先生の方へと駆け寄っていってしまった。
彼――月島くんは、さっき何を言いかけたのだろう。
まさか八年前の出来事を、私のことを覚えていて、そのことを言おうとしたとか?
「ねえ、紗良。今の人超かっこよくない? 月島くんだってー。新入生かな?」