ずっとキミしか見えてない
 彼はきょとんとした顔をして、私からキーホルダーを受け取った。


「お揃いだね! お互いに交換したの持ってるのって、すごく友情の証っぽくない!?」


 本当にそう思った私は、目を輝かせて彼に問う。

 彼は、小さく笑って頷いた。


「うん。そんな気がするね」

「でしょ!」

「じゃあさ。友情の証に約束だ。八年後に、このキーホルダーを持って、この場所でまた一緒に流れ星を見よう」

「八年後に?」

「うん。今日見られなかったんだから、もう一度一緒に星を探そうよ。そして今度こそ、流れ星にお願いしよう」

「流れ星に、お願い……」


 控えめに微笑んで言う彼の言葉は、とてもロマンチックで素敵な約束に思えた。

 8年後、16歳になった私は、あなたとこの場所でもう一度、流れ星を探す。

 そして煌めく星に、願い事をする。

 8年なんて遠い未来の話だ。

 だけど、今隣にいる彼と一緒にまた夜空を眺めて流星を探せるのなら、どんなに長い時間でも待てるような気がした。
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