ずっとキミしか見えてない
「うん! 8年経ったらこの黒猫ちゃんを持ってここに来る! 絶対に絶対に私来るね! また一緒に星を見ようね!」

「わかった。俺も絶対に来るよ」


 テンション高く言う私に向かって、静かに微笑みながら彼が頷く。

 早く8年経たないかなあ。

 なんて、馬鹿みたいなことを考えていたら、ふと私はさっきの彼の言動を思い出した。

 彼は流れ星をいくつか見れていたのだ。


「ねえ、君は流れ星をさっき何個か見られたんだよね?」

「うん、3つくらいかな」

「3つも! いいなあ」


 それなのになんで私はひとつも見られなかったんだろう。

 不運もいいところである。


「お願いごとできた?」

「うん。でも、1回だけだよ。3回のうち2回は、一瞬で消えちゃったからお願いする暇なかったんだ」

「いいなあ! なんてお願いしたの?」


 流れ星にお願いごとができたなんて、本当に羨ましかった。

 星が落ちてくる奇跡の瞬間に願ったことなんて、きっと叶うに決まっていると思えたから。

 彼はすぐに答えずに、なぜか私の方をじっと見た。
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