華のような君へ
「···、鶯華学園高等部生徒会長挨拶。西園寺梨花」
『はい』
彼女が立つと空間が引き締まるように感じるのはきっと気のせいではないだろう。
長い黒髪に透き通るように白い肌、長い睫毛にぷるんとした赤い唇。
全女子の憧れを詰めたような顔立ちに、成績優秀な彼女が名門校、鶯華学園の生徒会長になることに異論を持つ者は当然のごとくいなかった。
『ごきげんよう、皆さん』
礼儀正しくお辞儀をする彼女に合わせるように生徒も頭を下げる。
『我が鶯華学園の校訓は"清く正しく美しく"であり、創立から102年、その校訓の元に卒業した先輩方は栄えある栄華を極めてらっしゃいます。我が校の·····』
きっと生徒に名前も覚えられていない理事長が言ったところで何も響かないその長々しいスピーチは彼女が言うことによって意味を成していた。
彼女がスピーチを終えるとどこからともなく響く拍手の音。
それは生徒全体に伝わりホールに響く拍手の音となった。
「お疲れ様です、梨花さん」
スピーチ後すぐに彼女に駆け寄ったのは彼女を慕う生徒会役員だった。
『ありがとう、どうだった?』
「さすがでした。きっと梨花さんの熱い想いが生徒にも響いたと思います」
『ふふ、ありがとう』
「お、西園寺。お疲れ様」
『お疲れ様です』
「今日も良かったぞ。また頼むな」
『はい、ぜひ』
彼女は、"笑顔で"頷いた。
『はい』
彼女が立つと空間が引き締まるように感じるのはきっと気のせいではないだろう。
長い黒髪に透き通るように白い肌、長い睫毛にぷるんとした赤い唇。
全女子の憧れを詰めたような顔立ちに、成績優秀な彼女が名門校、鶯華学園の生徒会長になることに異論を持つ者は当然のごとくいなかった。
『ごきげんよう、皆さん』
礼儀正しくお辞儀をする彼女に合わせるように生徒も頭を下げる。
『我が鶯華学園の校訓は"清く正しく美しく"であり、創立から102年、その校訓の元に卒業した先輩方は栄えある栄華を極めてらっしゃいます。我が校の·····』
きっと生徒に名前も覚えられていない理事長が言ったところで何も響かないその長々しいスピーチは彼女が言うことによって意味を成していた。
彼女がスピーチを終えるとどこからともなく響く拍手の音。
それは生徒全体に伝わりホールに響く拍手の音となった。
「お疲れ様です、梨花さん」
スピーチ後すぐに彼女に駆け寄ったのは彼女を慕う生徒会役員だった。
『ありがとう、どうだった?』
「さすがでした。きっと梨花さんの熱い想いが生徒にも響いたと思います」
『ふふ、ありがとう』
「お、西園寺。お疲れ様」
『お疲れ様です』
「今日も良かったぞ。また頼むな」
『はい、ぜひ』
彼女は、"笑顔で"頷いた。