3月生まれの恋人〜Birthday present〜
『コラ
あんた今、あたしのこと思い出してるでしょ?!』
思い切り思考を読まれてぎょっと目を見開くと、莉奈がクスクスと声を上げて笑う
『ま、あたしも全然後悔してないな。
だって、あの時ホント好きで好きでたまらなかったから!
一生のいい思い出よ。』
同じテニス部だった先輩にずっと片思いしてた莉奈
思いが通じて、つき合い始めた頃の莉奈は
確かに幸せに輝いていたなと今でも思い出せる
『先がどうとか、時間がどうとか・・・
そういう事考えてたら恋愛なんか出来ないよ。』
確かにそうなのかも知れないとあたしも思った
ずっと悩んでいたはずの頭も心も、まるで霧が晴れたかのようにすっきりとしてる
『莉奈ありがとね
今日、付き合ってくれて。』
いつもいつも、迷う度に手をさしのべてくれる唯一無二の親友は
そう言ったあたしに、今日一番の笑顔を見せた