3月生まれの恋人〜Birthday present〜
『・・・あのさ?』
『和真さんだっけ、彼の事でしょ?』
話を始めようとした寸前、莉奈の口から思いもよらなかった名前が飛び出し
あたしの目が点になる。
そういえば最近お互い仕事が忙しくて、和真と別れたことも、柊と付き合っていることも莉奈には全く話して無かった・・・
そんな大事な事を、今頃になって思い出した。
『か、和真とはクリスマスの前に別れちゃって』
『はあっ?!』
一体どういうことなの?と、詰め寄ってくる莉奈に
あたしは、しどろもどろになりながら、和真と別れた事の顛末を説明した
一通り話を終えて、顔を上げてみる
そこには、テーブルの上でわなわなと拳を震わせる親友の姿・・・
やば・・・い?
『ゆづを捨てるなんて有り得ない!』
・・・あたしが止めるより一瞬早く
莉奈は、握った拳を力一杯?テーブルに叩きつけて、そう怒鳴った!
ざわめいていた店内が、しんと静まり返る
勿論、当然のように集まる店中の視線
『すっ、すみません!』
あたしは慌てて周りに頭を下げると
怒りで立ち上がった莉奈を静止した
『あのね、莉奈!
話には続きがあるの
ね、とにかく落ち着いて?』