極上御曹司の独占欲を煽ったら、授かり婚で溺愛されています
「あっ、あのっ! 俺とさくらはただの幼なじみでして! 決して男女の関係ではありませんから!!」

 きっぱりと当たり前のことを言うから、一瞬なぜ大はそんなことを言うの? と思ったけれど、すぐにその理由に気づく。
 もしかしたら村瀬さんは、私と大の関係を勘違いしているのかもしれないと。

 そこまで考えが行きつくと大同様、私も必死に説明した。

「そうです! 大とは本当に、子供の頃からの付き合いで兄妹みたいな仲で! そっ、それに大には何年も片想いしている相手がいて、さっきまでその子と三人で飲んでいて、送ってくれただけでっ……」

「おい、俺の片想い事情はいいだろ?」

「だって言わないと、わかってもらえないと思って」

 すかさず大の鋭い突っ込みが入り、小声で釈明していると村瀬さんがため息交じりに呟いた。

「よかった。本当にふたりは仲が良い幼なじみなんだね」

 その言葉に大とふたりで何度も縦に首を振ると、やっと村瀬さんは信じてくれた様子。
 ホッと胸を撫で下ろすと、大は村瀬さんの様子を窺った。
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