極上御曹司の独占欲を煽ったら、授かり婚で溺愛されています
「私も、どうしようもないほど村瀬さんのことが好きです。……正直、まだ村瀬さんのそばにいることに不安はないと言ったら嘘になります。でも私にとって、村瀬さんのそばにいること以上の幸せなんてないからっ……!」

 感情は昂ぶり、声が震えてしまう。一度深呼吸をして再び私を見つめる彼と向き合った。

「でも私は、村瀬さんに守ってほしいと思っていません。村瀬さんの負担になりたくないんです。……だからもしこの先、なにかつらいことがあったら、そばで一緒に乗り越えてください」

 これは自分で決めた進む道。守ってくれなくていい、隣にいてくれるだけでいいの。私は村瀬さんと、これから続く長い人生をともに歩んでいきたいから。

 瞬きすることなく私を見る村瀬さんに、笑顔でプロポーズの返事を伝えた。

「こんな私ですけど、よろしくお願いします」

 なんて言いながら、恥ずかしくなってそのまま彼に抱き着いた。少しすると強く、強く抱きしめられた。

「ありがとう。……絶対に幸せにする。なにがあっても、ふたりで乗り越えていこう」

「……はい!」

 きっと嫌なことや苦しいことがあっても、こうして彼のぬくもりに触れたら、どんなことも忘れてしまいそう。それほど村瀬さんの胸の中は安心できる。
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