極上御曹司の独占欲を煽ったら、授かり婚で溺愛されています
「村瀬さん、朝ご飯を食べる時間はありますか?」

「え……作ってくれたのか?」

「はい。村瀬さんがおいしいって褒めてくれた厚焼き玉子も作りました」

 すると村瀬さんは嬉しそうに笑う。

「それは嬉しいな、ありがとう。……だけど大丈夫か?」

「えっ?」

 嬉しそうな顔から一変。眉間に皺を刻んで私の様子を窺う。

「身体、つらくないか?」

 最初はなにに対して心配されていたのかわからなかったけれど、はっきりと身体のことを気遣われ、さすがに気づく。
 村瀬さんは昨夜のことがあったから、私の身体を心配してくれているのだと。

 実感すると同時に昨夜のことがフラッシュバックし、たまらなく恥ずかしい気持ちになる。

「えっと……はい」

 それでもどうにか声を絞り出すと、村瀬さんは「それならよかった」と言いながら優しく頬を一撫でした。

「準備、手伝うよ」

 そう言ってくれた村瀬さんとともに出来上がった料理をテーブルに並べ、向かい合って座ると仲良く手を合わせた。

 そしてドキドキしながら、村瀬さんが料理を口に運ぶ様子を見守る。

 味見をして、おいしくできたと思うんだけれど……どうだろうか。
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