極上御曹司の独占欲を煽ったら、授かり婚で溺愛されています
 大が私の幸せを願ってくれているように、私も大の幸せを誰よりも願っている。

 本当、いつか光美に大の想いが届いてほしいと切に願ってしまうよ。大好きなふたりが幸せになってくれたら、これ以上に嬉しいことはないもの。

『私、夏休みも兼ねて日本支社に研修に来たんだ。しばらくはこっちにいる予定なの。……だからあと何度かは会おうよ。その時、明日の挨拶に行った時の話を聞かせて。……坂本と一緒に』

「うん、わかったよ」

 どうか光美が日本にいる間に、少しでもふたりに進展があるといいな。そのためにも積極的に私から声をかけて、三人で会う機会を作ろう。

 最後に『気をつけていってらっしゃい』と言われ、光美との電話を終えると、明日に備えてこの日はいつもより早めに就寝した。

 寝る前に村瀬さんに【おやすみなさい】とメッセージを送って。



 次の日。八時に迎えに来てくれた村瀬さんの運転する車は、快調に高速道路を進んでいく。

 だけど運転する彼の横顔は浮かない。どこか緊張しているようにも見える。

 電話で村瀬さんとのことを報告すると、両親はすごく喜んでいて、おじいちゃんも無事に昨日退院したばかり。おばあちゃんとともに四人で村瀬さんをもてなすために、準備をして待っていると言っていた。
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