極上御曹司の独占欲を煽ったら、授かり婚で溺愛されています
日替わり弁当を手渡すと、村瀬さんは残っている総菜に目を向けた。いつもお弁当だけでは足りないようで、何品か買ってくれていた。
「残念、厚焼き玉子は売り切れちゃったんだね」
「はい、ついさっき……」
落胆の声を上げた彼に、私もまたショックを受ける。
そういえば村瀬さん、最近は厚焼き玉子をよく買ってくれているよね。好きなのかな? 二度と悲しい思いをさせぬよう、今度から日替わりに加えて厚焼き玉子も取っておこう。――なんて変な決心を固めていると、明日の仕込みを終えた両親が厨房から出てきた。
「あら、村瀬さんいらっしゃい」
「いつもありがとう」
そう言うと私の恋心を知っているふたりは、意味ありげな顔をして私を見るものだから、たまったものじゃない。
「こんばんは。ギリギリ間に合ってよかったです。二日食べていないから恋しくて。だけど今日は厚焼き玉子が売り切れていて残念でした」
彼が代わりに手にしたのは、肉じゃがとひじきの煮物。弁当と共に私に渡してお財布を取り出した。
「村瀬さん、少し待っててもらえます? 今、さくらに作らせますから」
「えっ?」
レジに金額を打ち込んでいると、お父さんがとんでもないことを言うものだから手が止まる。
「残念、厚焼き玉子は売り切れちゃったんだね」
「はい、ついさっき……」
落胆の声を上げた彼に、私もまたショックを受ける。
そういえば村瀬さん、最近は厚焼き玉子をよく買ってくれているよね。好きなのかな? 二度と悲しい思いをさせぬよう、今度から日替わりに加えて厚焼き玉子も取っておこう。――なんて変な決心を固めていると、明日の仕込みを終えた両親が厨房から出てきた。
「あら、村瀬さんいらっしゃい」
「いつもありがとう」
そう言うと私の恋心を知っているふたりは、意味ありげな顔をして私を見るものだから、たまったものじゃない。
「こんばんは。ギリギリ間に合ってよかったです。二日食べていないから恋しくて。だけど今日は厚焼き玉子が売り切れていて残念でした」
彼が代わりに手にしたのは、肉じゃがとひじきの煮物。弁当と共に私に渡してお財布を取り出した。
「村瀬さん、少し待っててもらえます? 今、さくらに作らせますから」
「えっ?」
レジに金額を打ち込んでいると、お父さんがとんでもないことを言うものだから手が止まる。