極上御曹司の独占欲を煽ったら、授かり婚で溺愛されています
 見事大量で、魚を持ち帰ったおじいちゃんはご満悦。お父さんとともに食べきれないほどの手料理を振る舞ってくれた。

 日帰り予定だったのに、おじいちゃんに『明日も休みなら、泊まっていけばいい。部屋はいくらでもある』と引き留められ、急遽一泊することに。

 村瀬さんは、お父さんと遅くまで晩酌に付き合っていたようだ。

 私もお母さんやおじいちゃん、おばあちゃんと久しぶりに色々な話をして、夜は更けていった。


 次の日。また近々来ると伝え、おじいちゃんの家を出たのは十一時過ぎ。おばあちゃんに薦められ、帰り道に立ち寄った蕎麦屋で昼食を済ませ、陶芸体験ができる焼き物店に立ち寄った。

 そこで慣れない手つきでお互いマグカップを制作した。

「出来上がるの、楽しみだな」

「一ヵ月後に送ってくれるって言ってましたよね。どんな仕上がりになるんでしょう」

 ふたりでいると、いつまでも話が尽きない。

「結婚後も頻繁に会いにこよう、ふたりで。……いや、近い将来三人、四人で」

 それはつまり、私たちが家族になってからの未来。

 今はまだ想像すらできないけれど、曾孫を見たいと言っていたおじいちゃんのためにも、そんな未来が早く訪れてほしいと願ってしまう。

 でも、なんか……気が早すぎませんか?

 胸の奥がムズ痒くなりながらも、どうにか「はい」と返事をすれば、村瀬さんは嬉しそうに顔を綻ばせた。

 そんな未来が訪れたら、自然豊かな陽だまりの中で村瀬さん、そしていつか生まれてくる私たちの子供とともに、釣りができたら……そう願わずにはいられなかった。
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