極上御曹司の独占欲を煽ったら、授かり婚で溺愛されています
だけどそれは私も同じなのかもしれない。些細な言動に好きって気持ちが溢れていそうだもの。
言葉を交わすことなく見つめ合っていると、村瀬さんはなにか思い出したのか、表情が曇った。
「そうだ、大切なことを言わずにまたさくらを抱くところだった」
「えっ!?」
サラリととんでもないことを言われ大きな声を出してしまうと、村瀬さんはすぐに「冗談だよ」と言う。
そして神妙な面持ちで本題に入った。
「今日、勝次叔父さん……専務に断ったよ、彩芽との件」
早乙女さんの名前を出され、思わず顔が強張る。それを村瀬さんは見逃がさなかった。
「悪かった、もっと早く断らずに。……さくらからしてみれば言い訳にしか聞こえないと思うけど、俺も父さんも専務には昔からなにかと世話になってきたんだ。だからどのタイミングで、どうやって断れば穏便に済むか山浦さんと何度も話し合ってきた」
「そうだったんですね……」
相槌を打ちながら、彼の話に耳を傾けた。
「専務には、はっきりと結婚を考えている女性がいると告げたよ。彩芽のことは妹としか見えないとも。……もちろんさくらのことは、いっさい話していないから安心してくれ。正式に婚約を発表するまでは、俺たちの関係は伏せておいたほうがいい」
幸せな日々の中で、早乙女さんとの縁談に関して、ふとした瞬間に頭に浮かんでは、必死にかき消していた。
言葉を交わすことなく見つめ合っていると、村瀬さんはなにか思い出したのか、表情が曇った。
「そうだ、大切なことを言わずにまたさくらを抱くところだった」
「えっ!?」
サラリととんでもないことを言われ大きな声を出してしまうと、村瀬さんはすぐに「冗談だよ」と言う。
そして神妙な面持ちで本題に入った。
「今日、勝次叔父さん……専務に断ったよ、彩芽との件」
早乙女さんの名前を出され、思わず顔が強張る。それを村瀬さんは見逃がさなかった。
「悪かった、もっと早く断らずに。……さくらからしてみれば言い訳にしか聞こえないと思うけど、俺も父さんも専務には昔からなにかと世話になってきたんだ。だからどのタイミングで、どうやって断れば穏便に済むか山浦さんと何度も話し合ってきた」
「そうだったんですね……」
相槌を打ちながら、彼の話に耳を傾けた。
「専務には、はっきりと結婚を考えている女性がいると告げたよ。彩芽のことは妹としか見えないとも。……もちろんさくらのことは、いっさい話していないから安心してくれ。正式に婚約を発表するまでは、俺たちの関係は伏せておいたほうがいい」
幸せな日々の中で、早乙女さんとの縁談に関して、ふとした瞬間に頭に浮かんでは、必死にかき消していた。