極上御曹司の独占欲を煽ったら、授かり婚で溺愛されています
そして小刻みに上下させて「約束」と言うものだから、胸の高鳴りは最高潮に達してしまう。
指切りをしていたのはほんの数秒間のみ。だけど私には途方もないほど長い時間に感じた。
それなのに、ゆっくりと指が離れると寂しいと感じた自分が信じられない。
胸が苦しくて恥ずかしかったのに寂しいと感じるなんて、恋愛をすると本当に自分の感情は目まぐるしく変わるから困る。
次々と変化する感情の波に襲われていると、村瀬さんは愛しそうに私を見つめた。
「仕事が落ち着いたら改めて誘うから。……楽しみにしている」
「は……はい」
あまりに彼が甘い瞳を向けて言うものだから、咄嗟に返事をしてしまった。
「それじゃ、また来るよ。卵焼きありがとう」
そう言って丁寧に会釈をし、颯爽と去っていく村瀬さんの背中を見送っていると、近くで静観していた両親がすぐさま詰め寄ってきた。
「やったじゃない、さくら! 村瀬さんと恋人になる絶好のチャンスよ!」
「向こうから誘ってきてくれたんだ、これは脈ありじゃないか?」
「やだー、ふたりが結婚したら村瀬さんが息子になるなんて素敵! 私、あんな息子がほしかったのよ」
「俺もだよ」
私を置いてけぼりにして、勝手に話を進めていくふたりの間に割って入る。
指切りをしていたのはほんの数秒間のみ。だけど私には途方もないほど長い時間に感じた。
それなのに、ゆっくりと指が離れると寂しいと感じた自分が信じられない。
胸が苦しくて恥ずかしかったのに寂しいと感じるなんて、恋愛をすると本当に自分の感情は目まぐるしく変わるから困る。
次々と変化する感情の波に襲われていると、村瀬さんは愛しそうに私を見つめた。
「仕事が落ち着いたら改めて誘うから。……楽しみにしている」
「は……はい」
あまりに彼が甘い瞳を向けて言うものだから、咄嗟に返事をしてしまった。
「それじゃ、また来るよ。卵焼きありがとう」
そう言って丁寧に会釈をし、颯爽と去っていく村瀬さんの背中を見送っていると、近くで静観していた両親がすぐさま詰め寄ってきた。
「やったじゃない、さくら! 村瀬さんと恋人になる絶好のチャンスよ!」
「向こうから誘ってきてくれたんだ、これは脈ありじゃないか?」
「やだー、ふたりが結婚したら村瀬さんが息子になるなんて素敵! 私、あんな息子がほしかったのよ」
「俺もだよ」
私を置いてけぼりにして、勝手に話を進めていくふたりの間に割って入る。