極上御曹司の独占欲を煽ったら、授かり婚で溺愛されています
 ちょうど戻った日が日曜日の朝で、仕事が休みだったさくらとふたりで栃木へ向かった。

 彼女のご両親にまずは結婚前に妊娠させてしまったことを謝罪し、さくらと生まれてくる子供と全力で守りますと伝えた。

 怒鳴られる覚悟で行ったが、ご両親はさくらの妊娠を泣きながら喜んでくれた。

 順番など関係ない。ふたりが幸せならいい。こんなにめでたいことはないと。

 心から喜んでくれているのが伝わってきて、もらい泣きするさくらを見たら、俺も熱いものが込み上がったことは言うまでもない。

 それと彼女の身体が心配だから籍を入れる前だが、一緒に暮らしたいことも伝え、許しを得ることができた。



「遅くなっちゃったな。大丈夫か? 疲れてない?」

 向こうを出たのは十九時を回ってから。行きもそうだったが、帰りも運転中に何度もさくらが心配で聞いてしまう。

 すると彼女はクスリと笑った。

「大丈夫ですよ。村瀬さん、ちょっと心配しすぎです」

「心配して当然だろ? まだ安定期に入っていないんだから。つわりはないって言うけど、調べたら急にくる人もいるようだ。なにかあったらすぐ俺に言うこと」
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