極上御曹司の独占欲を煽ったら、授かり婚で溺愛されています
 あらゆる書物を購入し、妊娠時期に気をつけなくてはいけないことを学んだ。知れば知るほど不安は募るばかり。なにかあってからでは遅いのだから、当然過保護にもなる。

「ご両親の了承も得たし、来週の土日で引っ越しを済ませよう。……新居でふたりっきりではなく、しばらくはうちで暮らすことになり申し訳ないけど」

「いいえ、そんな。逆に私のほうこそ申し訳ないです。お世話になってしまい」

「大丈夫。みんなさくらに会えるのを楽しみにしているから」

 本当は新居でふたりでの生活をスタートさせたいところだったが、探す時間も取れず、なにより俺がいない間、彼女をひとりにさせてしまうことに不安があった。

 その点うちの実家だったら、住み込みで働いてくれている家政婦がいる。家のことや食事の用意はしてくれるし、それに両親も、もうしばらくは日本に戻ってこられそうにない。

 さくらのためにも、しばらくは俺の実家で暮らしたほうがいいと判断し提案したところ、彼女も受け入れてくれたんだ。
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