極上御曹司の独占欲を煽ったら、授かり婚で溺愛されています
「自分で決めた結果、キミの父親は間違った道に進んだ」

「それは勝次叔父さんの考えであって、両親は違います。ふたりとも一緒になったことを後悔などしておりません。周りがなんて言おうと、父さんは間違った道になど進んでいませんから」

 すぐに反論すると言葉を詰まらせた。今度はこっちが責め立てる。

「それとも勝次叔父さんは、俺に彩芽とどうしても結婚してほしい理由でもおありですか?」

「どういう意味だ?」

「そのままの意味です。勝次叔父さんの言う俺に似合う相手は、他にもたくさんいらっしゃいますよね? どうして彩芽にこだわるんですか?」

 疑いめいた目を向けると、途端に勝次叔父さんは狼狽え出した。

「そ、それは早乙女君は私の親友の娘だからだ……! 昔から可愛がっていたふたりが、一緒になってくれたら嬉しいからに決まっているだろう」

 俺たちが一緒になってくれたら嬉しい、ね。本当にそれだけだろうか。もっと追及したいところだが、こっちで内密に調べていることを悟られても困る。

 机に散らばった写真や書類をまとめた。
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