極上御曹司の独占欲を煽ったら、授かり婚で溺愛されています
「お疲れのところ、みんながすみませんでした」

「いや、そんなことないよ。商店街の方たちにもいつか挨拶したいと思っていたから。まぁ、最初はびっくりしたけど、本当にさくらは商店街の人たちに愛されているとわかったよ。……絶対にさくらと生まれてくる子供を幸せにしないと、皆さんに怒られるな」

 駐車場に戻るまでの道中、そう言うと村瀬さんはそっと私の手を握った。

「どうだった? 楽しかった?」

「……はい」

 三人で過ごす時間はやっぱり楽しくて、あっという間だった。

「俺もお世話になった時田さんや坂本君に、直接お礼を言うことができてよかったよ。……今度ゆっくり家に招待しよう」

「え、いいんですか?」

「当たり前だろ? あの家はさくらの家でもあるんだ。好きな時に呼べばいい。なにも遠慮することはないからな?」

 強く手を握られ、胸がキュンとなる。

「ありがとうございます」

 村瀬さんとは、安定期に入ってから入籍する予定となっている。もうすぐ夫婦になるということが、今でもまだ信じられない。

 私……本当にこんなに素敵な人と結婚できるんだと思うと、胸が苦しくなる。
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