極上御曹司の独占欲を煽ったら、授かり婚で溺愛されています
「え、あの人妊娠しているの? たしか管理栄養士だったよな」

「やだ、つわりって本当? 大丈夫なの? ここで作られている料理は」

「やめてくれよ、明日は大事な商談が入っているのに、食中毒になったら困る」

「食中毒って嘘でしょ? なったら困るんだけど!」

 あっという間に取り囲まれ、「説明して」と問いただされてしまう。

「食中毒だなんて……! あり得ません!」

 説明しても、みんな納得してくれない。

「でもあなた、妊娠しているんでしょ?」

「なにかあったら、どう責任取るつもりなんだ!?」

 次々と質問をされ、対処しきれない。どうして早乙女さんはこんなことを?

 動揺しながらも必死に質問に答えていると、弥生さんが割って入ってきた。

「みなさん、落ち着いてください! 調理を担当しているのは彼女だけではありません! 私たち全員でやっているんです。私たちは、誰ひとり彼女が調理中に厨房を出るところを見ていませんし、お言葉のようなこともございません。……早乙女さんが言っているようなことはいっさいありませんから」

 力強い声でそう言うと、弥生さんは続けた。
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