極上御曹司の独占欲を煽ったら、授かり婚で溺愛されています
「そうだよ。だから謝る必要なんてない。さくらのペースで慣れてくれたらいい。それに大丈夫、さっき俺に挨拶をしに来てくれた人たちは、みんないい人ばかりだから。今のさくらの気持ちを察してくれるよ」

 そう、なのかな。たとえそうだとしても、やはりちゃんと謝罪したい。

「あの、心配かけてしまい、すみませんでした。私ならもう大丈夫なので戻りましょう」

「でも……本当に大丈夫なのか?」

 不安そうに聞いてきた彼を安心させるように、笑顔で答えた。

「はい、大丈夫です! なのでもう一度しっかりとご挨拶させてください。……今後、ずっとお付き合いが続いていく人たちなんですよね?」

 みんないい人ばかりだと言うくらい、彼は親密な関係を築いているのだろう。だったらなおさらしっかり挨拶をするべきだ。

 その思いで言うと、誠司さんはそっと私の腰に腕を回した。彼のほうに引き寄せられ、困惑してしまう。

「あ、あの誠司さん……?」

 こんなに密着して大丈夫なのだろうか?

 ドギマギしていると、彼は周囲に人がいないことを確認した後、そっと触れるだけのキスを落とした。
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