極上御曹司の独占欲を煽ったら、授かり婚で溺愛されています
「私の叔父にそんなひどいことをされたとは、優しい彼女は言いませんよ。勝次叔父さんの秘書のひとりが山浦に話してくれました。廊下まで罵声が響いていたと」

 そうだったんだ。誠司さんに知られていたなんて……。

 続けて誠司さんは早乙女社長に目を向けた。

「早乙女社長、まずは彼女に謝罪の言葉があってもいいのでは? あなたの娘さんが彼女にしたことを、ご存じですよね?」

「なんだと!? 私にそんな貧乏娘に頭を下げろというのかね!?」

 激高する早乙女社長の大きな声に、身体が震える。すると誠司さんは私を自分の背後に隠したまま一歩後退った。

「落ち着いてください。先ほども言いましたよね? 彼女の身体に障ります。大きな声を出さないでください」

「……っ」

 ふたりの顔を見なくてもわかる。誠司さんに対して怒っていると。専務と早乙女社長から私を守ってくれているんだよね? だけど本当に大丈夫なのだろうか。専務との関係はもちろん、早乙女社長が経営する会社とは開発分野で提携していた気がする。それなのに……。

 案の定早乙女社長は、怒りを露わにした。
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