極上御曹司の独占欲を煽ったら、授かり婚で溺愛されています
ずっと、一緒に……。
朝、外に出ると吐く息が白くなってきた。そろそろ本格的な冬が始まる。
誠司さんが運転する車で出勤し、控室で着替えを済ませ、緩めにエプロンをつける。
「……よし、今日からまた頑張ろう」
薬指に指輪がはめられている左手でだいぶ大きくなったお腹を擦りながら、食堂へと向かった。
「本日より冬季限定メニューが始まりますので、他の料理に関しては通常より少なめに作ってください。では今日もよろしくお願いします」
連絡事項を伝え、いつものように調理に取りかかろうとしたものの……動き出したのは私だけ。弥生さんたちはなぜか一歩も動かず、私を見てはニヤニヤしている。
その理由はだいたいわかる。……いや、あのこと以外考えられない。
「さくらちゃん、結婚おめでとう。これからは『村瀬さん』って呼んだほうがいいかしら?」
「あら、そこは『副社長夫人』でいいんじゃない?」
「だったら『次期、社長夫人』でしょ」
私をネタに朝から盛り上がる弥生さんたちに、苦笑いしてしまう。
昨日、私と誠司さんは婚姻届を提出し、晴れて私は村瀬さくらとなった。だけどまだ実感が湧かなくて、これから『村瀬さん』と呼ばれると思うと、照れくさく思う。こうしてからかわれると余計に。
誠司さんが運転する車で出勤し、控室で着替えを済ませ、緩めにエプロンをつける。
「……よし、今日からまた頑張ろう」
薬指に指輪がはめられている左手でだいぶ大きくなったお腹を擦りながら、食堂へと向かった。
「本日より冬季限定メニューが始まりますので、他の料理に関しては通常より少なめに作ってください。では今日もよろしくお願いします」
連絡事項を伝え、いつものように調理に取りかかろうとしたものの……動き出したのは私だけ。弥生さんたちはなぜか一歩も動かず、私を見てはニヤニヤしている。
その理由はだいたいわかる。……いや、あのこと以外考えられない。
「さくらちゃん、結婚おめでとう。これからは『村瀬さん』って呼んだほうがいいかしら?」
「あら、そこは『副社長夫人』でいいんじゃない?」
「だったら『次期、社長夫人』でしょ」
私をネタに朝から盛り上がる弥生さんたちに、苦笑いしてしまう。
昨日、私と誠司さんは婚姻届を提出し、晴れて私は村瀬さくらとなった。だけどまだ実感が湧かなくて、これから『村瀬さん』と呼ばれると思うと、照れくさく思う。こうしてからかわれると余計に。