極上御曹司の独占欲を煽ったら、授かり婚で溺愛されています
そう言うとふたりは顔を見合わせ、どこか照れくさそうに目を伏せるものだから、ほんわかしてしまう。
「あーもう! 私たちの話はいいのよ! 大! さくらの話をしよう!!」
「お、おう、そうだな」
わざとらしく言うふたりに笑ってしまったことは、言うまでもない。
これまでの仕返しとばかりに、ふたりの馴れ初めを聞き出して満足すると、ほどよく酔いが回った光美が思い出したように聞いてきた。
「さくら、栃木で出産するんだって?」
「うん。初めての出産だから不安だしね」
それにお義父さんとお義母さんは、もうしばらくシンガポールから戻ってこられない。誠司さんもあと少し忙しい時期が続くようで、そのほうが安心だと言っていた。
新製品発表会の日から、誠司さんはずっと忙しい毎日を過ごしている。専務は子会社へ左遷。早乙女社長の会社との契約もすべて解除した。その対応に追われているからだ。
でも、子供が生まれるまでにすべて片を付けると言っていた。なにがなんでも出産には必ず立ち会うと。
彼に言われた時のことを思い出していると、今度は光美と大が微笑ましい目で私を見ていた。
「あーもう! 私たちの話はいいのよ! 大! さくらの話をしよう!!」
「お、おう、そうだな」
わざとらしく言うふたりに笑ってしまったことは、言うまでもない。
これまでの仕返しとばかりに、ふたりの馴れ初めを聞き出して満足すると、ほどよく酔いが回った光美が思い出したように聞いてきた。
「さくら、栃木で出産するんだって?」
「うん。初めての出産だから不安だしね」
それにお義父さんとお義母さんは、もうしばらくシンガポールから戻ってこられない。誠司さんもあと少し忙しい時期が続くようで、そのほうが安心だと言っていた。
新製品発表会の日から、誠司さんはずっと忙しい毎日を過ごしている。専務は子会社へ左遷。早乙女社長の会社との契約もすべて解除した。その対応に追われているからだ。
でも、子供が生まれるまでにすべて片を付けると言っていた。なにがなんでも出産には必ず立ち会うと。
彼に言われた時のことを思い出していると、今度は光美と大が微笑ましい目で私を見ていた。