極上御曹司の独占欲を煽ったら、授かり婚で溺愛されています
 お開きになったのは二十三時を回ってから。

「すみませんでした、誠司さん。迎えにきてもらって」

「いや、ちょうど仕事が終わった時間だったから気にするな」

 仕事終わりの彼に迎えに来てもらい帰宅後、順番に入浴を済ませ、ベッドに入る頃には日付が変わっていた。

 連日残業続きの誠司さんは、いつもだったらベッドに入るとすぐ眠りに就いてしまっていた。でも今夜は違う。

「いよいよ明日だな。初めてマタニティ教室に参加するから緊張するよ」

 妊娠中の人に向けて病院で開催されているマタニティ教室は、五つある。妊娠時期によってプログラムが異なり、妊娠後期の最後のプログラムは夫婦で参加することもできると聞き、誠司さんも参加すると言ってくれたんだ。

「抱っこの仕方や沐浴方法、おむつの交換の仕方まで教えてくれるんだろ?」

「はい、そうみたいです」

「そうか。それはしっかり覚えないとな」

 誠司さんは今から育児に前向きだ。できる限り子育てに関わりたいと言ってくれている。

「そろそろ会えるんだな、俺たちの子に」

「……はい」
< 303 / 308 >

この作品をシェア

pagetop