極上御曹司の独占欲を煽ったら、授かり婚で溺愛されています
「もう本当に信じられないよ、今日の残し量は過去最高だったの」
「なんとも思わないのかね、毎回あんなに残して」
予想通り弥生さんたちの話題は、早乙女さんたち一色。だけど私はただ相槌を打つだけで、話の内容がまったく入ってこなかった。
「遅くなっちゃった」
時計で時間を確認しながら急いで電車に乗り込んだ。
いつも定時で上がっていたのに、今日は事務作業中に村瀬さんと早乙女さんのことばかり考えてしまい、なかなか進まず。初めて残業してしまった。
時刻は十七時四十五分を回ったところ。帰るのは十八時を過ぎてしまいそうだ。
会社を出たところで、両親には帰りが遅くなると連絡をしたから心配はしていないだろうけれど、こういう日に限って店が忙しそう。
もしそうだったら両親に申し訳ない。それに私自身も、大好きな店頭に立てる時間は限られているというのに……。
今日何度目かわからないため息を漏らしそうになり、慌てて口を堅く結んだ。
よくため息の数だけ幸せが逃げるっていうし! なんて自分を奮い立たせても、電車に揺られているとやっぱり村瀬さんのことを考えてしまう。
早乙女さんの話だと、まだ村瀬さんは彼女との婚約の話は知らないみたいだけれど、断る理由なんてないよね。
「なんとも思わないのかね、毎回あんなに残して」
予想通り弥生さんたちの話題は、早乙女さんたち一色。だけど私はただ相槌を打つだけで、話の内容がまったく入ってこなかった。
「遅くなっちゃった」
時計で時間を確認しながら急いで電車に乗り込んだ。
いつも定時で上がっていたのに、今日は事務作業中に村瀬さんと早乙女さんのことばかり考えてしまい、なかなか進まず。初めて残業してしまった。
時刻は十七時四十五分を回ったところ。帰るのは十八時を過ぎてしまいそうだ。
会社を出たところで、両親には帰りが遅くなると連絡をしたから心配はしていないだろうけれど、こういう日に限って店が忙しそう。
もしそうだったら両親に申し訳ない。それに私自身も、大好きな店頭に立てる時間は限られているというのに……。
今日何度目かわからないため息を漏らしそうになり、慌てて口を堅く結んだ。
よくため息の数だけ幸せが逃げるっていうし! なんて自分を奮い立たせても、電車に揺られているとやっぱり村瀬さんのことを考えてしまう。
早乙女さんの話だと、まだ村瀬さんは彼女との婚約の話は知らないみたいだけれど、断る理由なんてないよね。