誰にも邪魔させない。
「勘違いさせちゃったならごめん。悪いんだけど俺のこと諦めてくれない?」
そう言いながら握っている手を、胸の高さまで持って来て、更にギュッと握る。
それだけでも私はいちいちドキドキしちゃうわけで。
柊は表情一つ変えないで、淡々としている。
柊にとって私と手を繋ぐことなんて、どうってことないんだろうな。
だからナチュラルにこんなことができるんだ。
そんな柊の行動を見て、他校の女の子は私を睨みつけた。
そして急に柊に近づいたと思ったら、柊のネクタイをひっぱって。
その子は柊にキスをしようとしているように見えたから、思わず目をそらした。