誰にも邪魔させない。
すると、怯えている私のすぐ横で「は?」と小さな声が聞こえた。
「誰に向かって言ってんの?」
柊は私と繋いでいる手とは反対の手で、女の子と顎をギュッと掴んだ。
一瞬にして緊張感が漂う。
「お前に言われたくねーんだよ!!ブサイク勘違いクソ女が!!」
え…?
柊は他校の女の子にそう言い放ち、私の手をそのままギュッと引っ張って、駅の入り口に向かった。
怒っているのか歩くスピードが速く、私は小走りでついて行くのがやっとだった。
「ちょっと…柊!」
「何?」
柊はめちゃくちゃ不機嫌だ。
声の感じで分かる。