誰にも邪魔させない。





高校1年の春。


私は柊と同じ高校に入って
運よく同じクラスになった。


入学式から2カ月が経とうとしている。




「なー海莉、今日一緒に帰れる?」


放課後。


柊が誘ってくるなんて珍しい。


いつもは美結(みゆ)と帰っているから
断ろうと思っていると、


「私、今日用事あるんだった!
ごめん海莉、柊と一緒に帰んなよ」


私より先に、近くにいた美結が口を開いた。


美結ってば、変なとこで気を使うんだから。




「え、あ、えっと…」


断る気でいたから、美結の言葉に戸惑っていると、

「で、どうなの?」

柊は少しイライラした様子で聞いてきた。


ここで断ったらきっと、後々大変なんだよね…。




「分かった」


私はしぶしぶ柊のお誘いを受け入れた。



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