誰にも邪魔させない。



ギリギリ電車に乗れてホッと一息。


そんな私を見て、柊はニヤニヤと私に喋りかけてきた。


「海莉の寝顔、写真撮っておくべきだったなー」


「え、どんな顔してた!?」


「めっちゃ口開いてて、超アホズラだった」


「はー?ウソでしょ?!」


「海莉超おもしろい!」


柊は私の寝顔がツボだったらしくお腹を抱えて笑っている。


私、どんな顔して寝てたんだろう…。


穴があったら入りたい…。


「なー、寝顔誰にも見せんなよ」


「え?そんなに」


「そんなに!」


うわあああ。


そんな誰にも見せられないような寝顔を、好きな人に見られたとか人生最大の汚点だ…。



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